- Sep 24
- 作成者 PECRONJAPAN

台風が接近すると、大雨や強風だけでなく、停電や断水など生活インフラへの影響にも備える必要があります。特に停電が長引くと、照明やスマートフォンの充電だけでなく、冷蔵庫、冷暖房、調理など、普段当たり前に使っているものが利用できなくなることがあります。
台風は地震などと比べて、接近前にある程度の情報を確認できるため、早めに準備を進めることが大切です。本記事では、台風・停電に備えて準備しておきたい防災グッズを用途別に整理し、事前準備のポイントから停電中の電源確保、復旧後の注意点まで詳しく解説します。
台風・停電対策で最初に準備するもの
台風への備えというと、非常食や懐中電灯を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実際に停電が発生すると、照明だけでなく、情報収集、スマートフォンの充電、食料の保管、暑さ・寒さへの対策など、さまざまな場面で電気が必要になります。
そのため、防災グッズを準備するときは「何を買うか」だけではなく、「停電した状態で何に困るのか」を基準に考えることが重要です。
停電時に備えておきたい7つのカテゴリ
家庭での停電対策は、次の7つのカテゴリに分けて考えると整理しやすくなります。
1. 照明・明かり
停電すると、夜間は照明が使えなくなります。
懐中電灯やLEDランタンなど、電池や充電式で使用できる照明を用意しておきましょう。家族が集まる場所には周囲を照らせるランタン、移動時には手元や足元を照らせる懐中電灯など、用途に合わせて複数用意しておくと使いやすくなります。
2. 情報・通信機器
台風や大雨の際には、気象情報や避難情報を継続して確認できる状態を保つことが重要です。
スマートフォン、モバイルバッテリー、携帯ラジオ、予備の電池など、停電しても情報を受け取れる手段を準備しておきましょう。
3. 水・食料
停電だけでなく、断水や物流への影響も想定して、飲料水と食料を備蓄しておきます。
内閣府は、食料や飲料水を最低3日分、できれば1週間分備えておくことを案内しています。普段から使用する食品を少し多めに購入し、古いものから消費して使った分を買い足すローリングストックも活用できます。
4. 衛生・生活用品
停電や断水が発生すると、普段使っている生活用品も不足しやすくなります。
携帯トイレ、トイレットペーパー、ウェットティッシュ、衛生用品、常備薬など、電気がなくても必要になるものをあらかじめ確認しておきましょう。
5. 冷蔵庫・冷凍庫への備え
停電時に気になるのが、冷蔵庫や冷凍庫の食品です。
停電した場合は、冷気をできるだけ逃がさないよう扉の開閉を減らすことが基本です。また、保冷剤やクーラーボックスを準備しておけば、停電が長引いた場合の食品保管にも活用できます。
6. 暑さ・寒さへの対策
季節によっては、停電によって室温管理が難しくなることがあります。
夏場は扇風機、冷却タオル、保冷剤など、冬場は毛布、使い捨てカイロ、電気毛布など、季節に応じた対策を準備しておきましょう。
ただし、電気を使う暖房・冷房機器については、使用する機器の消費電力と、非常用電源の出力・容量を事前に確認しておく必要があります。
7. 非常用電源
スマートフォンの充電や照明だけでなく、停電中にも電気を使いたい場合は、非常用電源の準備も選択肢になります。
ポータブル電源であれば、コンセントから電源を取れない状況でも、対応する家電やUSB機器などへ給電できます。ただし、すべての家電を同じように使用できるわけではないため、必要な機器の消費電力と、電源側の出力・容量を照らし合わせて選ぶことが大切です。
また、ポータブル電源はリチウムイオン電池を搭載した製品が多いため、保管・充電・使用時の環境にも注意が必要です。NITEは、高温環境を避けること、強い衝撃を与えないこと、屋外では雨水などがかからないようにすることなどを注意点として挙げています。
このように、台風・停電への備えは「防災バッグを1つ用意すれば終わり」ではありません。照明、通信、水・食料、衛生用品、食品の保管、温度管理、電源という複数の視点から、自宅で実際に困ることを一つずつ確認しておくことが大切です。
台風が近づく前に確認したいこと

台風は、接近してから急に対策を始めると、強風や大雨によって屋外での作業や移動が難しくなることがあります。台風の進路や気象情報を確認したら、まだ天候が安定している段階で、家の周囲や避難先、停電への備えを一通り確認しておきましょう。
台風情報・警報を確認する
まず確認したいのが、台風の進路や雨・風の予想です。
気象庁では、台風に関する情報や警報・注意報などの防災気象情報を提供しています。台風の接近が予想される場合は、テレビやラジオだけでなく、気象庁や自治体のウェブサイトなども活用し、最新の情報を確認しましょう。
特に確認しておきたいのは、次のような情報です。
- 台風の進路や接近する時間
- 大雨・洪水・暴風などの警報や注意報
- 自宅周辺の浸水や土砂災害のリスク
- 自治体から発表される避難情報
- 電車・道路など交通機関への影響
台風が近づいてから情報を探すのではなく、あらかじめ必要な情報源をスマートフォンなどに登録しておくと、停電や通信環境の変化があった場合にも対応しやすくなります。
家の外にある飛散物を片付ける
強風によって飛ばされた物は、窓ガラスや建物を傷つける原因になることがあります。
ベランダや庭、玄関周辺などを確認し、鉢植え、物干し竿、自転車、ゴミ箱、屋外用のテーブルや椅子など、風で動いたり飛ばされたりする可能性があるものは、固定するか室内へ移動させます。
気象庁も、風が強くなる前に、飛ばされそうな物を固定したり屋内へ格納したりするよう案内しています。
また、台風接近後にベランダや屋根などへ出て作業するのは危険です。高所での確認や片付けは、天候が悪化する前に終わらせておきましょう。
窓・雨戸を確認する
強風時には飛来物によって窓ガラスが破損する可能性があります。
台風が近づいてきたら、窓や雨戸が正常に閉まるかを確認し、鍵をしっかりかけておきましょう。必要に応じて、窓ガラスの飛散防止フィルムやテープなどを活用し、室内側ではカーテンやブラインドを閉めておくことも大切です。
特に普段あまり開閉しない窓は、台風が接近してから不具合に気づくこともあります。事前に一度確認しておくと安心です。
側溝・排水口を確認する
大雨による浸水を防ぐためには、家の周辺にある排水設備の確認も欠かせません。
ベランダや敷地内の排水口、側溝などに落ち葉やゴミが詰まっていないか確認し、必要に応じて掃除しておきます。排水口がふさがっていると、雨水が流れにくくなり、周囲に水がたまりやすくなります。
気象庁も、大雨が降る前に側溝や排水口を掃除し、水はけを良くしておくよう呼びかけています。
避難場所・避難経路を確認する
自宅が安全な場所にあるとは限りません。台風による洪水や土砂災害などの危険が想定される地域では、早めに避難することも重要です。
事前に自治体のハザードマップを確認し、自宅周辺で想定されている浸水区域や土砂災害の危険箇所、指定緊急避難場所などを確認しておきましょう。内閣府では、指定緊急避難場所を災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所として位置づけています。
避難場所だけでなく、そこまでの経路も実際の地図で確認しておくことが大切です。
特に大雨が降っているときは、道路の冠水や河川の増水などによって、普段通っている道が安全とは限りません。家族が別々に行動する可能性も考え、避難場所や連絡方法について事前に話し合っておきましょう。
スマートフォン・モバイルバッテリー・ポータブル電源を準備する
台風による停電に備えて、電池を使う機器や充電式機器の状態も確認しておきます。
スマートフォンは気象情報や避難情報、家族との連絡などに必要になるため、バッテリー残量を確認し、モバイルバッテリーも充電しておきましょう。携帯ラジオやLEDライトなど、普段あまり使わない防災用品についても、電池切れや故障がないか確認しておきます。
ポータブル電源を使用する場合も、台風が接近する前に必要な充電を済ませておくと、停電した際の電源確保に利用できます。
ただし、充電時には安全面にも注意が必要です。NITEは、リチウムイオン電池を使用したポータブル電源について、高温環境を避けること、水に濡らさないこと、強い衝撃を与えないことなどを注意点として挙げています。また、充電時は安全な場所で行い、指定された充電器を使用することも重要です。
台風対策だからといって、ポータブル電源を屋外や雨の当たる場所に置くのは避けましょう。使用・保管場所は、製品の取扱説明書に記載された条件に従うことが基本です。
台風が来る前にチェックしておきたい項目
台風の接近が予想されたら、次の項目を順番に確認しておくと準備漏れを防ぎやすくなります。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 気象情報 | 台風の進路、雨・風、警報・注意報 |
| 家の外 | 飛ばされそうな物の固定・収納 |
| 窓・雨戸 | 鍵、雨戸、飛散防止対策 |
| 排水設備 | 側溝・排水口の詰まり |
| 避難 | ハザードマップ、避難場所、避難経路 |
| 通信 | スマートフォン、モバイルバッテリー |
| 照明 | 懐中電灯、ランタン、電池 |
| 電源 | ポータブル電源などの充電状態 |
こうした準備は、停電が起きてから慌てて行うものではありません。台風が近づく前に「家の安全」「避難」「通信」「電源」の4つを確認しておくことで、停電や大雨が発生した場合にも落ち着いて対応しやすくなります。
停電対策グッズ|照明・情報・通信

停電が発生すると、まず困るのが「明かり」と「情報を得る手段」です。特に夜間の停電では、部屋の中や廊下、階段などが暗くなり、移動や作業の際に転倒などの危険もあります。
また、台風の進路や避難情報、停電の復旧状況などを確認するためには、スマートフォンやラジオなどの情報機器も必要になります。
そのため、停電対策では照明と通信機器を一つだけ用意するのではなく、用途や使用場所に応じて複数の手段を確保しておくことが大切です。
懐中電灯・ランタンを準備する
停電時の基本的な照明として、懐中電灯やLEDランタンを用意しておきましょう。
懐中電灯は、暗い場所へ移動するときや、狭い範囲を照らしたいときに向いています。一方、ランタンは周囲を広く照らせるため、リビングやダイニングなど、家族が集まる場所で使いやすいのが特徴です。
1つだけではなく、用途の異なる照明を複数準備しておくと、停電時にも使い分けやすくなります。
例えば、次のように考えると分かりやすくなります。
- 懐中電灯:移動時や狭い場所の確認
- ランタン:部屋全体を照らす
- 小型ライト:寝室やトイレなど、すぐ使いたい場所に常備
政府広報でも、非常持ち出し品の例として懐中電灯が挙げられており、ランタン型ライトについても安全な空間を確保するための防災用品として紹介されています。
ヘッドライトは両手を使う作業に便利
停電中に荷物を探したり、ブレーカーや設備を確認したりするときは、両手を使う場面があります。
そのような場合には、頭に装着して使えるヘッドライトが便利です。懐中電灯のように片手をふさぐことがないため、階段の移動や荷物の整理、簡単な作業をするときにも使いやすくなります。
特に停電時は照明器具を探すこと自体が難しくなる場合があるため、ヘッドライトを防災用品と一緒に保管するだけでなく、どこに置いてあるか家族全員が分かる状態にしておくことも大切です。
東京都の防災資料でも、災害時に役立つ日用品としてLEDランタンやヘッドライト、乾電池などが挙げられています。
スマートフォンは情報収集と連絡手段に
停電したとき、スマートフォンは単なる通信機器ではなく、気象情報や避難情報を確認するための重要な手段になります。
台風の接近中は、気象庁や自治体から発表される情報を確認したり、家族と連絡を取ったりする必要があるため、停電前から十分に充電しておくことが重要です。
政府広報でも、災害に備えてスマートフォンやパソコンをフル充電しておくことが案内されています。
停電中はバッテリーをできるだけ長く使えるよう、必要のないアプリを閉じたり、省電力モードを使用したりするなど、消費電力を抑える工夫も有効です。
ただし、スマートフォンだけに情報手段を頼るのではなく、電池式ラジオなど別の情報源も用意しておくと、通信環境に問題が起きた場合にも対応しやすくなります。
モバイルバッテリーを用意する
スマートフォンを長時間使う可能性がある場合、モバイルバッテリーは重要な備えの一つです。
停電前にモバイルバッテリー自体を満充電にしておけば、コンセントが使えない状況でもスマートフォンやUSB機器へ給電できます。
また、モバイルバッテリーには容量の違いがあるため、「何mAhなのか」だけでなく、充電する機器の数や使用時間も考えて選ぶことが大切です。
例えば、家族それぞれがスマートフォンを使用する家庭では、1台だけで足りるとは限りません。複数台を同時に充電できるものや、家族で共有できる予備電源を用意しておくと使いやすくなります。
なお、モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われている製品が多く、強い衝撃や高温、水濡れなどによって発熱・発火につながる可能性があります。消防庁も、リチウムイオン電池製品を高温環境に放置しないことや、強い衝撃を避けることなどを注意点として案内しています。
ラジオを用意して情報源を複数確保する
スマートフォンだけでなく、電池式や手回し充電式のラジオも防災用品として役立ちます。
停電時にはテレビが使えなくなり、通信環境の影響によってインターネットへ接続しにくくなる可能性もあります。そのため、複数の方法で情報を取得できるようにしておくことが重要です。
消防庁の資料でも、停電が長期化した場合の情報収集手段として、電池式の携帯ラジオなどを整備することが示されています。
ラジオを選ぶときは、普段から受信できるか確認しておくほか、予備電池の保管場所も決めておきましょう。
電池と充電方法を事前に整理する
防災用ライトやラジオを準備していても、電池が切れていては使えません。
そのため、乾電池を使用する機器については、必要なサイズの予備電池をあらかじめ用意し、使用期限なども定期的に確認しておきます。
一方、USB充電式の機器については、停電前に満充電にしておくことが基本です。モバイルバッテリーやポータブル電源など、複数の充電手段を組み合わせておけば、停電が長引いた場合にも対応しやすくなります。
ただし、すべての機器を同じ電源で無理に充電するのではなく、機器側の入力仕様や対応する充電方法を確認して使用しましょう。
停電時は「照明」と「通信」を分けて考える
停電対策では、「明かり」と「情報・通信」を一つの機器ですべてまかなうのではなく、それぞれに複数の手段を用意しておくことがポイントです。
例えば、次のような組み合わせです。
| 用途 | 主な備え | 予備・補完 |
|---|---|---|
| 部屋を照らす | LEDランタン | 懐中電灯 |
| 移動・作業 | ヘッドライト | 懐中電灯 |
| 情報収集 | スマートフォン | ラジオ |
| スマホ充電 | モバイルバッテリー | ポータブル電源 |
| 充電 | コンセント | 車・ソーラーなど |
こうしておくと、一つの機器が使えなくなった場合でも、別の手段へ切り替えることができます。
台風による停電は、数時間で復旧する場合もあれば、被害状況によって長引くこともあります。だからこそ、停電直後だけでなく、その後も照明と通信を維持できるよう、電池・充電・予備電源まで含めて事前に準備しておくことが大切です。
停電対策グッズ|水・食料・衛生用品

台風による被害は、停電だけで終わるとは限りません。大雨や強風によって断水が発生したり、道路や交通機関への影響で店舗に行きにくくなったりすることもあります。
そのため、台風や停電への備えでは、電気を使う機器だけでなく、水や食料、トイレ、衛生用品など、電気がなくても必要になる生活用品まで準備しておくことが大切です。
飲料水を準備する
災害時の備蓄で、まず確保したいのが飲料水です。
一般的には、1人あたり1日3L程度を目安として、最低3日分、できれば1週間分を備えておくことが推奨されています。家族の人数に合わせて必要量を計算し、飲料用だけでなく、調理などに使う水も含めて考えるとよいでしょう。政府広報や消費者庁でも、飲料水・食料は3日から1週間分を目安とした備蓄を案内しています。
例えば4人家族の場合、飲料水だけでも1日あたり約12Lが必要になる計算です。ペットボトルなどで分散して保管しておけば、一部が使えなくなった場合にも対応しやすくなります。
また、マンションなどでは停電によって給水ポンプが停止し、断水につながる可能性もあります。住んでいる住宅の給水方式も確認しておくと、必要な備えを考えやすくなります。
非常食は「調理しなくても食べられるもの」を意識する
停電や断水が発生すると、電子レンジやIH調理器、電気ケトルなどが使えなくなる場合があります。
そのため、非常食を選ぶ際は、単に保存期間が長いかどうかだけではなく、停電・断水した状況でも食べやすいかを確認することが重要です。
例えば、レトルトのおかゆ、缶詰、乾パン、パン、栄養補助食品など、加熱や調理を必要としない食品を組み合わせておくと、調理環境が限られた場合にも使いやすくなります。
一方で、カップ麺やレトルト食品など、お湯や加熱が必要な食品も備えておけば、電源や水を確保できた場合の食事の選択肢を広げられます。
大切なのは、すべてを「非常食」に置き換えるのではなく、普段食べている食品と保存用食品を組み合わせることです。
ローリングストックを取り入れる
長期的に備蓄を続けるなら、「ローリングストック」という方法が便利です。
ローリングストックとは、普段食べている食品を少し多めに買い置きし、古いものから普段の食事で使い、使った分を新しく買い足していく方法です。農林水産省も、普段の食品を使いながら一定量を家庭に備える方法として紹介しています。
例えば、
買い足す → 普段の食事で使う → 減った分を補充する
というサイクルを作ります。
この方法なら、災害時だけに使用する食品を大量に保管する必要がなく、賞味期限の管理もしやすくなります。消費者庁も、普段食べている食品を少し多めに買い置きし、食べた分を買い足す方法を推奨しています。
また、実際に普段から食べている食品を備蓄しておけば、災害時に「食べ慣れていない」「調理方法が分からない」といった問題も起こりにくくなります。
携帯トイレを準備する
災害時には、水道が止まったり、排水設備が使用できなくなったりすることで、トイレが大きな問題になることがあります。
そのため、飲料水や食料だけでなく、携帯トイレもあらかじめ準備しておきましょう。
政府広報では、携帯トイレについて「5〜6回×人数×7日分」を備蓄量の目安として紹介しています。
例えば4人家族であれば、1週間分として約140〜168回分が一つの目安になります。
一度に大量に用意するのが難しい場合でも、まずは自宅に何回分必要なのかを計算し、現在の備蓄量との差を確認しておくとよいでしょう。
衛生用品も忘れずに準備する
断水や停電が続くと、普段は水道や電気に頼っている衛生管理が難しくなります。
例えば、次のようなものをまとめておくと便利です。
- ウェットティッシュ
- 除菌シート
- 消毒液
- トイレットペーパー
- ティッシュペーパー
- 水のいらないシャンプー
- 生理用品
- 常備薬・救急用品
- ゴミ袋
特にウェットティッシュや携帯トイレなどは、電気を使わずに使用できるため、停電と断水が重なった場合にも役立ちます。
政府広報でも、携帯トイレ、ウェットティッシュ、消毒液、トイレットペーパーなどを災害時の備えとして挙げています。
家族構成に合わせて追加する
必要な備蓄品は、家族の人数だけでなく、年齢や生活環境によっても変わります。
例えば、乳幼児がいる家庭では、粉ミルク、離乳食、おむつなどが必要になります。高齢者がいる家庭では、普段使っている食事や衛生用品、常用している薬などを忘れずに準備しておく必要があります。
また、ペットを飼っている場合は、ペットフードや飲料水、トイレ用品なども人間の備蓄とは別に確保しておきましょう。
「電気がなくても生活できるもの」と「電源が必要なもの」を分けて考える
防災用品を整理するときは、すべてを一つのリストにまとめるのではなく、電気がなくても使えるものと電源が必要なものに分けておくと、停電時に何が不足するのか分かりやすくなります。
| 分類 | 主な備蓄品 |
|---|---|
| 電気がなくても使えるもの | 飲料水、非常食、携帯トイレ、ウェットティッシュ、懐中電灯など |
| 電池で使えるもの | ラジオ、LEDライトなど |
| 充電が必要なもの | スマートフォン、モバイルバッテリーなど |
| 電源が必要なもの | 冷蔵庫、扇風機、電気毛布など |
こうして整理すると、「食料は十分にあるけれど携帯トイレが足りない」「ライトはあるけれど電池がない」といった備えの抜けも見つけやすくなります。
台風への備えは、食料や水を買って終わりではありません。家族が実際に生活することを想定し、何をどれだけ使うのか、電気が止まった場合に何ができなくなるのかまで考えて準備しておくことが重要です。
冷蔵庫・冷凍庫の停電対策

停電時に多くの家庭で気になるのが、冷蔵庫や冷凍庫に入っている食品です。
冷蔵庫は電気がなければ冷却できないため、停電が長引くほど庫内の温度が上がり、食品の保存状態にも影響します。特に台風による停電では、復旧までに時間がかかる可能性もあるため、停電が発生した直後からできるだけ冷気を逃がさないことが重要です。
冷蔵庫の扉はできるだけ開けない
停電が発生したら、まず意識したいのが冷蔵庫の扉を開ける回数を減らすことです。
冷蔵庫や冷凍庫は、扉を閉めた状態であれば、内部に残っている冷気によって一定時間は低温を保てます。一方で、何度も扉を開け閉めすると、外の暖かい空気が入り込み、庫内の温度が上がりやすくなります。
農林水産省は、停電時には冷蔵庫の開閉を最小限にし、電気が復旧するまで冷気をできるだけ保つよう案内しています。目安として、扉を開けない状態では冷蔵庫で約4時間、冷凍庫で約1~2日間、低温を保持できるとしています。ただし、これは気温や庫内の食品量、冷蔵庫の性能などによって変わる目安です。
そのため、「何か入っていないかな」と頻繁に確認するのではなく、停電中は必要なものを開ける前に考えておくことが大切です。
保冷剤やクーラーボックスを活用する
停電が長引きそうな場合は、冷蔵庫だけに頼らず、保冷剤やクーラーボックスを活用する方法もあります。
あらかじめ冷凍しておいた保冷剤や凍らせたペットボトルなどを用意しておけば、冷蔵庫やクーラーボックス内の温度を低く保つために利用できます。
また、停電前から冷凍庫に入れていた食品をできるだけまとめておくと、冷凍状態を維持しやすくなります。海外の食品安全機関でも、停電時に冷凍食品をまとめて配置し、保冷剤や氷を活用する方法が紹介されています。
クーラーボックスを使用する場合も、必要なときだけ開けるようにし、開閉回数をできるだけ少なくすることがポイントです。
食品を無駄にしないための考え方
停電後に重要なのは、「もったいないから食べる」のではなく、保存状態を確認して安全性を優先することです。
冷蔵・冷凍が必要な食品は、適切な温度が維持できなくなると、見た目やにおいだけでは判断できないほど衛生上の問題が生じる可能性があります。
農林水産省は、停電後の冷蔵・冷凍食品について、長時間にわたって適切な低温が保てなかった食品は食べずに処分するよう案内しています。特に肉、魚、惣菜など傷みやすい食品には注意が必要です。また、完全に溶けた冷凍食品を再び凍らせることも避けるよう呼びかけています。
そのため、停電時には「何時間停電しているか」「冷蔵庫の扉をどの程度開けたか」「食品の温度が保たれているか」などを確認しながら判断することが大切です。
長時間停電した場合は電源確保も考える
数時間程度の停電であれば、冷蔵庫の開閉を減らし、保冷剤などを活用することで対応できる場合があります。
一方で、停電が長時間に及ぶ場合は、食品を保つための方法を別に考える必要があります。
その一つが、非常用電源を使って冷蔵庫へ電力を供給する方法です。
冷蔵庫は常に最大消費電力で動いているわけではなく、庫内温度や周囲の温度などによってコンプレッサーの運転・停止を繰り返します。そのため、ポータブル電源を使用した場合の実際の稼働時間は、単純に「容量÷冷蔵庫の定格消費電力」だけで決めることはできません。
また、冷蔵庫の起動時には一時的に大きな電力が必要になる場合があるため、非常用電源を選ぶ際には容量だけでなく、AC出力や瞬間的な出力にも注目する必要があります。
「冷蔵庫を何時間動かせるか」を考えるときは、冷蔵庫側の仕様と、使用する電源側の容量・出力の両方を確認しておきましょう。
ポータブル電源を使う場合の注意点
ポータブル電源を冷蔵庫のバックアップ電源として利用する場合でも、「容量が大きければどの製品でも使える」とは限りません。
まず、冷蔵庫の消費電力と、ポータブル電源のAC出力を確認します。冷蔵庫の起動時に必要な電力が、ポータブル電源の出力範囲を超えていないかも確認しておくことが重要です。
さらに、停電時には冷蔵庫本体や電源コードが水に濡れないよう注意する必要があります。台風や大雨の際は、床上浸水や雨水の吹き込みなどによって電気製品が濡れる可能性もあるため、ポータブル電源を含めた電気製品は安全な場所で使用・保管してください。
NITEは、ポータブル電源について、強い衝撃を与えないこと、高温環境を避けること、屋外では防水・防塵性能などを考慮することを注意点として挙げています。
また、冷蔵庫そのものが浸水した場合は、電源を入れて動作を確認しようとするのは危険です。NITEも、水がかかったり水に浸かったりした電気製品は、そのまま使用しないよう注意喚起しています。
冷蔵庫の停電対策は「保冷」と「電源」の両方を考える
冷蔵庫の停電対策では、最初から非常用電源だけに頼る必要はありません。
基本は、
① 扉をできるだけ開けない
② 保冷剤やクーラーボックスを活用する
③ 食品の保存状態を確認する
④ 停電が長引く場合は電源確保を検討する
という順番で考えると整理しやすくなります。
停電時間や季節、冷蔵庫の容量、家庭の備蓄状況によって必要な対策は異なります。あらかじめ保冷剤やクーラーボックスを準備し、長時間停電した場合にどのように対応するかまで決めておけば、突然の停電でも落ち着いて行動しやすくなります。
夏・冬の停電に備える|暑さ・寒さ対策

停電すると、照明や通信だけでなく、室温を調整するための電化製品も使えなくなることがあります。
特に夏場はエアコンや扇風機が止まることで室温が上昇し、冬場は暖房器具が使えなくなることで室内の温度が低下します。停電対策では、食料や明かりだけでなく、季節に応じた暑さ・寒さへの備えも考えておくことが重要です。
夏の停電には扇風機・冷却グッズを準備する
夏に停電した場合、まず確認したいのが室温です。
エアコンが使えない状況では、扇風機やサーキュレーターなど、比較的消費電力の小さい機器を使って空気を循環させる方法があります。また、保冷剤、冷却タオル、うちわ、飲料水など、電源を必要としない暑さ対策もあわせて準備しておきましょう。
特に高齢者や乳幼児など、暑さの影響を受けやすい人がいる家庭では、停電が長引いた場合を想定して、複数の対策を用意しておくことが大切です。
ただし、扇風機を用意していても、充電が切れてしまえば使用できません。USB充電式の扇風機や小型の送風機を使う場合は、モバイルバッテリーなどの予備電源も一緒に準備しておくと使いやすくなります。
また、エアコンやスポットクーラーなど、より消費電力の大きな冷房機器を非常用電源で使用する場合は、後述する「出力」と「容量」の確認が必要です。電源側の仕様を確認せずに接続するのではなく、使用する機器の消費電力と起動時の条件を確認しましょう。
冬の停電には電気毛布・カイロ・防寒用品を準備する
冬場の停電では、暖房が止まることで室温が低下する可能性があります。
そのため、停電対策としては、電気を使わない防寒用品をまず確保しておくことが基本です。
例えば、
- 毛布・ブランケット
- 使い捨てカイロ
- 防寒着
- 厚手の靴下
- 湯たんぽ
- アルミ製の防寒シート
などを準備しておきましょう。
また、電源を確保できる場合は、電気毛布のように比較的消費電力の小さい暖房器具を使う方法もあります。
一方で、セラミックヒーターや電気ストーブなど、消費電力が大きい暖房器具は、ポータブル電源の容量だけでなく出力にも大きく左右されます。非常用電源で使うことを考えている場合は、事前に機器の定格消費電力を確認し、対応できる電源かどうかを確認しておきましょう。
家電の消費電力と使用時間を考える
停電時に家電を使う場合、「動かせるかどうか」と「どのくらいの時間使えるか」は別に考える必要があります。
例えば、消費電力が小さい扇風機や照明などは、同じ容量の電源でも比較的長時間使いやすい一方、消費電力の大きな暖房器具や調理家電は、短時間で多くの電力を消費します。
そのため、ポータブル電源を選ぶときは、
① 使いたい家電が動かせる出力か
② 必要な時間だけ使える容量があるか
の2点を確認することが大切です。
例えば、100Wの機器と1,000Wの機器では、同じ1時間使用した場合でも必要な電力量は大きく異なります。
また、家電によっては起動時に一時的に大きな電力が必要になる場合があります。特にモーターやコンプレッサーを使用する機器では、表示されている消費電力だけで判断せず、製品仕様やメーカーの情報を確認しておくことが重要です。
ポータブル電源を使う場合の注意点
夏や冬にポータブル電源を使用する場合は、「電源があれば安心」と考えるのではなく、安全に使える環境も確認しておきましょう。
まず、ポータブル電源は高温になる場所や直射日光の当たる場所を避けて使用・保管する必要があります。特に夏場は、窓際や車内などが非常に高温になることがあるため注意が必要です。
NITEは、リチウムイオン電池を搭載したポータブル電源について、高温環境での使用を避けること、強い衝撃を与えないこと、異常な発熱や変形などがあった場合は使用を中止することを案内しています。2026年の注意喚起でも、リチウムイオン電池搭載製品は夏場に事故が増加する傾向があり、高温下に放置しないことが重要とされています。
また、台風時には雨や浸水にも注意が必要です。屋外で使う場合は製品の防水・防塵性能を確認し、雨水がかかる場所や水がたまる場所では使用しないようにしましょう。
さらに、充電についても、付属またはメーカーが指定する充電器・ケーブルを使用し、異常がある状態で無理に充電しないことが大切です。NITEは、充電できない、異常に熱い、変形しているなどの兆候がある場合は使用を中止して、購入店やメーカーなどへ相談するよう案内しています。
夏と冬では「優先する電力」が違う
季節によって、停電時に必要となる電力は変わります。
夏は扇風機や冷却機器、冬は電気毛布など、比較的少ない電力で使用できる機器を優先すると、限られた電源を有効に使いやすくなります。
例えば、停電時には次のような順番で考えると整理しやすくなります。
| 季節 | 優先したいもの | 電源を使わない備え |
|---|---|---|
| 夏 | 扇風機・小型送風機など | 飲料水、保冷剤、冷却タオル |
| 冬 | 電気毛布など | 毛布、カイロ、防寒着 |
| 共通 | スマートフォン・照明 | 懐中電灯、ラジオ、携帯トイレ |
停電対策では、「大きな家電を何でも動かす」ことよりも、限られた電力を必要な用途に優先して使うことが重要です。
あらかじめ夏と冬それぞれについて「停電したら何を使うか」を決めておけば、いざというときに電力を無駄に消費せず、必要な機器を優先して使いやすくなります。
スマホ・通信機器の電源を確保する方法

停電が発生すると、スマートフォンは気象情報や避難情報の確認、家族との連絡などに欠かせない通信手段になります。
しかし、停電が数時間、あるいはそれ以上続くと、スマートフォンやモバイルバッテリーの電池も少しずつ減っていきます。
そのため、停電対策では「満充電にしておく」だけでなく、電源が使えない状態でも、別の方法で充電できるようにしておくことが重要です。
モバイルバッテリーを準備する
スマートフォンの非常用電源として、まず準備しておきたいのがモバイルバッテリーです。
停電前に満充電にしておけば、コンセントが使えなくなってもスマートフォンやUSB機器へ給電できます。
家族で複数台のスマートフォンを使う場合は、1台だけでは必要な容量が足りなくなることもあります。誰がどのように使うのかを考え、必要な台数や容量を決めておきましょう。
また、モバイルバッテリーは「容量が大きいほどよい」とは限りません。持ち運びやすさ、出力、充電に必要な時間なども含めて選ぶことが大切です。
リチウムイオン電池を使用したモバイルバッテリーは、高温や強い衝撃によって事故につながる可能性があります。NITEは、直射日光の当たる場所や暑い車内などに放置しないこと、落下などによる強い衝撃を避けること、異常を感じた場合は使用や充電を中止することを注意点として挙げています。
台風への備えとしてモバイルバッテリーを用意する場合も、充電状態だけでなく保管場所まで確認しておきましょう。
車からスマートフォンを充電する
自動車を所有している場合は、車の電源をスマートフォンなどの充電に利用する方法もあります。
USBポートを備えた車であれば、対応するケーブルを使ってスマートフォンを充電できます。また、車のアクセサリーソケットに対応したUSB充電器を用意しておけば、車種に応じて充電手段を増やせます。
これは、自宅が停電していても車の電源を利用できるという点が特徴です。
ただし、車から充電する際は、車両の取扱説明書に従って安全に使用してください。また、エンジンをかける場合は、排気ガスによる一酸化炭素中毒を防ぐため、換気の悪い屋内や閉鎖された場所では使用しないことが重要です。
車を充電手段として使う場合も、スマートフォンだけでなく、必要なUSB機器をどこまで充電できるのか事前に確認しておくとよいでしょう。
USB機器を活用する
最近では、USBから電源を取れる製品が増えています。
例えば、USB扇風機、LEDライト、ラジオなどは、家庭用コンセントを使わなくても、モバイルバッテリーなどから給電できる場合があります。
このようなUSB機器を複数用意しておくと、停電時に限られた電力を効率よく使いやすくなります。
例えば、コンセントを使う家電の代わりにUSBライトを使ったり、モバイルバッテリーからスマートフォンと小型ライトへ給電したりすることで、家庭用AC電源を使う機器の使用を必要最小限に抑えることができます。
ただし、USB機器には入力電圧や必要な電力が異なるものがあります。使用前に機器側の仕様を確認し、対応している充電器や電源から給電することが大切です。
ソーラーパネルを充電手段に加える
停電が長引いた場合には、太陽光を利用して電気をつくる方法もあります。
住宅用太陽光発電システムでは、停電すると通常の系統連系運転は停止しますが、自立運転機能が搭載されている場合、条件が整えば昼間に太陽光から発電した電力を非常用コンセントから利用できます。JPEAも、停電時に備えて平常時から自立運転機能の使い方を確認しておくよう案内しています。
ポータブル電源と組み合わせるソーラーパネルも、考え方は同じです。日中に太陽光から電気をつくり、それを対応するポータブル電源へ充電することで、コンセントが使えない状況でも充電手段を確保できます。
ただし、ソーラー充電は天候や日射条件に左右されます。曇天や雨天、日陰、パネルの設置角度などによって発電量は変わるため、ソーラーパネルだけを唯一の充電手段にするのではなく、他の電源と組み合わせて考えることが重要です。
また、ポータブル電源にソーラーパネルを接続する場合は、パネルの電圧・電流・出力と、ポータブル電源側の入力仕様が対応していることを確認する必要があります。
長時間停電に備えて充電手段を複数持つ
停電への備えでは、1つの電源にすべてを頼らないことがポイントです。
例えば、
家庭のコンセント → モバイルバッテリー → 車 → ソーラー
というように、複数の充電方法を持っておけば、一つの方法が使えなくなった場合にも別の手段へ切り替えられます。
平常時にはコンセントから各機器を充電し、停電直後はモバイルバッテリーを使い、それでも停電が長引けば車やソーラーなどを利用する、といった段階的な考え方です。
特に台風の場合は、雨や強風の影響で屋外作業ができなくなることがあります。そのため、ソーラーパネルなど屋外で使う充電手段については、「停電してから準備する」のではなく、平常時に設置場所や接続方法を確認しておくことが重要です。
「充電できるか」だけでなく「何を優先するか」も決めておく
停電時は、すべての機器を常に満充電にする必要はありません。
まずはスマートフォンやラジオなど、情報収集や連絡に必要な機器を優先し、その後に照明やUSB機器などへ電力を回すようにすると、限られた電力を効率よく使えます。
例えば、次のような優先順位をあらかじめ決めておくと分かりやすくなります。
| 優先度 | 充電・給電する機器 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 高 | スマートフォン | 情報収集・連絡・避難情報 |
| 高 | ラジオ | 情報収集 |
| 中 | LEDライト | 夜間の照明 |
| 中 | USB扇風機など | 暑さ対策 |
| 必要に応じて | その他のUSB機器 | 生活環境の維持 |
このように、停電時の電源確保は「大容量の電源を一つ持つ」だけではなく、複数の充電手段と、電力を使う優先順位をあらかじめ決めておくことが重要です。
長時間の停電を想定する場合は、モバイルバッテリーだけでなく、車やソーラーなどを含めて、電源を補充できる方法まで考えておくと、より柔軟に対応できます。
ポータブル電源は停電対策に必要?容量・出力の考え方

停電への備えとして、スマートフォンや照明の充電だけでなく、冷蔵庫や扇風機などの家電も使いたい場合、ポータブル電源は選択肢の一つになります。
ただし、ポータブル電源は「容量が大きければよい」という単純なものではありません。
使いたい家電が動かせるか、その家電をどのくらいの時間使えるか、どのように充電するかなどを考える必要があります。特に確認したいのが、**Wh(容量)とW(出力)**の違いです。
WhとWは何が違う?
ポータブル電源を選ぶときによく見かける「Wh」と「W」は、それぞれ意味が異なります。
Wh(ワットアワー)は、どれくらいの電力量を蓄えられるかを表す単位です。
一方、W(ワット)は、どれくらいの電力を出せるかを表します。
経済産業省の資料でも、Wは「電力」、Whは「電力量」の単位として定められています。
簡単に考えると、
Wh=どれくらい使える電気を蓄えているか
W=どれくらいの大きさの電力を取り出せるか
という違いです。
例えば、容量が大きくても出力が小さければ、消費電力の大きな家電を動かせない場合があります。逆に出力が大きくても容量が小さければ、長時間の使用には向きません。
そのため、ポータブル電源を選ぶ際には、容量と出力の両方を確認することが重要です。
容量だけで選ばない
「1,000Wh」「2,000Wh」など、容量の数字は分かりやすいため、ポータブル電源を比較するときに最初に目が行きやすい部分です。
しかし、容量だけでは、その製品で何ができるのかまでは判断できません。
例えば、停電時に使いたいものがスマートフォンやLEDライトだけなら、必ずしも大容量の電源が必要とは限りません。
一方で、
- 冷蔵庫を長時間動かしたい
- 扇風機を長時間使いたい
- 複数の機器を同時に使用したい
- 停電が長引く可能性を考えておきたい
といった用途では、より大きな容量が必要になることがあります。
つまり、「何Whあるか」ではなく、自宅で何を使うのか、どのくらいの時間使いたいのかを先に決めてから容量を考えることが大切です。
使用したい家電の消費電力を確認する
次に確認したいのが、使いたい家電の消費電力です。
家電の定格消費電力や仕様表示を確認し、ポータブル電源の出力を超えていないかを確認しましょう。
例えば、消費電力50W程度の扇風機と、消費電力1,000W程度の電気ヒーターでは、必要となる電力が大きく異なります。
また、冷蔵庫や一部の電動機器などでは、運転開始時に一時的に大きな電力が必要になる場合があります。
そのため、家電の「普段の消費電力」だけを見るのではなく、製品の仕様やポータブル電源の取扱説明書も確認しておくことが重要です。
特に、「定格出力1,000Wだから1,000Wの家電なら必ず問題なく使える」と考えるのではなく、家電側の起動特性や電源側の仕様も含めて判断する必要があります。
AC・USB・DC出力を使い分ける
ポータブル電源には、複数の出力方法があります。
AC出力
家庭のコンセントと同じような交流電源を取り出す方式です。
冷蔵庫、扇風機、テレビ、照明、調理家電など、家庭用コンセントに接続する機器を使いたい場合に利用します。
ただし、AC出力で使用する場合は、ポータブル電源内部で電力変換が行われるため、機器の消費電力だけでなく、変換によるロスも考える必要があります。
USB出力
スマートフォン、タブレット、モバイルライト、USB扇風機など、USB充電に対応した機器に向いています。
スマートフォンのような小さな機器だけを使用するのであれば、家庭用コンセントからAC機器を動かすより、USB出力を直接使用するほうが電力を効率よく使える場合があります。
DC出力
DC(直流)を使用する機器に電力を供給するための出力です。
製品によって電圧や端子形状、対応機器が異なるため、「DC出力がある」だけで判断するのではなく、使用する機器の電圧・電流・端子仕様が対応しているかを確認する必要があります。
このように、同じポータブル電源でも、AC・USB・DCのどの出力を使用するかによって、適した機器や使い方が変わります。
UPS機能があると停電時の切り替えに役立つ
UPSは「無停電電源装置」を意味し、商用電源に異常が発生した際に、内蔵バッテリーなどから電力を供給する仕組みです。
パソコンや通信機器など、電源が突然切れることでデータ消失や通信停止が起こる可能性がある機器では、UPSが役立つ場合があります。
JEMAでも、UPSは商用電源の停電などの電源異常時にバッテリーからバックアップする装置として説明されています。
ただし、ポータブル電源にUPS機能が付いていることと、すべての機器を無条件に無停電で使えることは同じではありません。
製品によって切り替え方式や切替時間、対応する機器などが異なるため、パソコンや通信機器などに使用する場合は、製品仕様を確認しておきましょう。
ソーラー充電に対応しているか確認する
長時間の停電に備える場合は、「どれだけ電気を蓄えられるか」だけでなく、電気を補充できるかも重要です。
ソーラーパネルに対応したポータブル電源なら、日中に太陽光を利用してバッテリーを充電できます。
ただし、ソーラー充電は、パネルの発電性能だけでなく、
- パネルの最大出力
- 動作電圧
- 電流
- 天候
- 日射量
- パネルの設置角度
- 影の有無
などによって実際の充電量が変わります。
また、ソーラーパネル側の電圧や電流が、ポータブル電源のソーラー入力仕様に合っている必要があります。
「大きなパネルを接続すれば必ず最大速度で充電できる」というわけではないため、パネルとポータブル電源の入力条件が適合しているかを確認することが大切です。
長期停電を考えるなら「容量」と「充電手段」をセットで考える
ポータブル電源の防災性能を考えるとき、容量だけに注目するのではなく、次の3つをセットで考えると分かりやすくなります。
① 何を動かすか
スマートフォン、照明、冷蔵庫、扇風機、電気毛布など
② どのくらい使うか
数時間なのか、半日なのか、1日以上なのか
③ どうやって再充電するか
AC充電、車、ソーラーパネルなど
例えば、短時間の停電でスマートフォンとライトだけを使う場合と、長時間停電して冷蔵庫や生活家電まで使用する場合では、必要となる容量や充電方法は大きく異なります。
そのため、「一番大きな容量の製品を選ぶ」という考え方ではなく、家庭で想定する停電時間と使用機器に合わせて選ぶことが重要です。
安全性・保管環境も確認する
ポータブル電源は大容量の電気を蓄える機器なので、容量や出力だけでなく、安全性も重要な選択基準です。
経済産業省は、ポータブル電源について火災や感電などの電気的リスクがあることを示し、安全性要求事項を取りまとめています。
また、NITEは、ポータブル電源について強い衝撃を与えないこと、高温環境で使用・放置しないこと、水濡れを避けることなどを注意点として挙げています。特にリチウムイオン電池搭載製品では、異常な発熱、膨張、変形、充電できないなどの異常があった場合は、使用を中止してメーカーや販売店に相談することが重要です。
台風対策としてポータブル電源を準備する場合も、雨や浸水から守れる場所に保管し、直射日光が当たる場所や高温になる場所、車内などに長時間放置しないようにしましょう。
停電対策としてポータブル電源を選ぶときのチェックポイント
最後に、停電対策を目的としてポータブル電源を選ぶ場合の確認項目を整理します。
| 確認項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 容量(Wh) | どのくらいの電力量を蓄えられるか |
| AC出力(W) | 使用したい家電の消費電力に対応しているか |
| 起動時の電力 | 冷蔵庫などに必要な一時的な電力を確認 |
| USB出力 | スマートフォンなどを直接充電できるか |
| DC出力 | 使用する機器の電圧・電流・端子に対応しているか |
| UPS | 停電時に必要な機器をバックアップできるか |
| ソーラー入力 | パネルの電圧・電流・最大入力に対応しているか |
| 安全性 | 温度、衝撃、水濡れなどの使用条件を確認 |
| 保管 | 台風時にも濡れず、高温にならない場所を確保 |
ポータブル電源は、「容量が大きいものを選べばすべて解決する」という製品ではありません。
何を動かすのか、どのくらい使うのか、どうやって充電するのか。
この3点を整理したうえで、容量・出力・端子・充電方法・安全性まで確認することで、自宅の停電対策に合った製品を選びやすくなります。
ポータブル電源の使用時間はどう計算する?

ポータブル電源を選ぶとき、「1,000Whなら何時間使えるの?」「2,000Whあれば冷蔵庫を1日動かせる?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
使用時間の目安を知るには、ポータブル電源の容量と、使用する機器の消費電力を使って概算することができます。
ただし、実際の使用時間は計算結果と完全に一致するわけではありません。AC出力時の電力変換によるロスや、家電側の運転状況、使用環境などによって変わるため、計算値はあくまで目安として考える必要があります。
基本的な計算方法
最も基本的な考え方は、
使用時間(h)=ポータブル電源の容量(Wh)÷使用機器の消費電力(W)
です。
例えば、1,000Whのポータブル電源で100Wの機器を使用するとします。
1,000Wh ÷ 100W = 10時間
となり、理論上は約10時間使用できる計算です。
ただし、これはポータブル電源に蓄えられた電力量を100%そのまま機器へ供給できると仮定した単純計算です。実際には、AC出力時の電力変換や待機電力などによって使用できる電力量は少なくなります。
そのため、実際の使用時間を考えるときは、一定の効率を考慮して計算する必要があります。
変換ロスなどを考慮すると使用時間は短くなる
ポータブル電源の内部に1,000Whの電力量が蓄えられていたとしても、そのすべてをそのままAC機器で使えるわけではありません。
例えば、計算例として利用可能率を80%と仮定すると、
1,000Wh × 0.8 = 800Wh
が実際に機器へ利用できる電力量の目安になります。
この場合、100Wの機器なら、
800Wh ÷ 100W = 約8時間
となります。
ここで重要なのは、80%という数字はすべてのポータブル電源に当てはまる固定値ではないということです。実際の変換効率や待機電力などは製品によって異なるため、正確な使用時間を確認する場合は、メーカーが公開している仕様や実測値を確認してください。
扇風機はどのくらい使える?
例えば、消費電力50Wの扇風機を使うとします。
1,000Whのポータブル電源について、先ほどと同じく利用可能率を80%と仮定すると、
1,000Wh × 0.8 ÷ 50W = 約16時間
という計算になります。
つまり、理論上は約16時間が一つの目安になります。
ただし、扇風機にも風量設定などの違いがあるため、実際の消費電力は使用条件によって変わります。
また、「50Wの扇風機だから必ず16時間使える」という意味ではありません。これは、50Wで一定時間動作すると仮定した計算上の目安です。
LED照明なら長時間使いやすい
例えば、10WのLED照明を使用する場合は、
1,000Wh × 0.8 ÷ 10W = 約80時間
となります。
このように、消費電力が小さい機器ほど、同じ容量のポータブル電源でも長時間使用しやすくなります。
停電時に照明だけを使用するのであれば、大容量の電源をすべて使い切る必要はない場合もあります。
一方で、照明に加えてスマートフォン、扇風機、冷蔵庫などを同時に使用すれば、その分だけ電力消費は増えていきます。
スマートフォンの充電は「Wh」で考える
スマートフォンの充電についても、考え方は同じです。
例えば、スマートフォン1台のバッテリー容量を15Whと仮定した場合、1,000Whのポータブル電源から単純計算すると、
1,000Wh ÷ 15Wh = 約66回
となります。
先ほどと同じように利用可能率を80%と仮定すれば、
1,000Wh × 0.8 ÷ 15Wh = 約53回
が理論上の目安です。
ただし、実際のスマートフォンへの充電では、USB出力側や充電器、スマートフォン本体での電力変換などがあるため、この回数どおりになるとは限りません。
また、スマートフォンのバッテリー容量も機種によって異なります。そのため、ここでの数字は「Whを使って充電回数を考える方法」を理解するための計算例として見るのが適切です。
冷蔵庫は単純な割り算だけでは計算できない
冷蔵庫の場合は、扇風機やLED照明よりも計算が難しくなります。
冷蔵庫は、電源が入っている間ずっと一定の電力を消費するわけではありません。庫内の温度、周囲の温度、扉の開閉、食品の量などによって、コンプレッサーの運転時間が変わります。
例えば、平均して100W程度を消費する状態と仮定し、1,000Whのポータブル電源について利用可能率を80%として考えると、
1,000Wh × 0.8 ÷ 100W = 約8時間
という計算になります。
しかし、これは「平均消費電力が100Wで一定」と仮定した場合の数字です。
実際の冷蔵庫では、コンプレッサーが停止している時間があれば消費電力は下がり、運転が始まれば一時的に電力が大きくなることもあります。そのため、冷蔵庫の定格消費電力だけを使って「○時間動く」と断定することはできません。
さらに、冷蔵庫などモーター・コンプレッサーを使用する機器は、起動時に一時的に大きな電力が必要になる場合があります。使用するポータブル電源が、その機器の起動条件を満たしているかも確認する必要があります。
複数の機器を同時に使う場合
停電時には、一つの機器だけではなく、複数の機器を同時に使うことがあります。
例えば、
- LED照明:10W
- 扇風機:50W
- 通信機器:20W
を同時に使用すると、単純に合計して、
10W + 50W + 20W = 80W
となります。
この状態を1時間続けると、約80Whを使用する計算です。
利用可能率を80%と仮定した1,000Whのポータブル電源なら、
800Wh ÷ 80W = 約10時間
が理論上の目安になります。
このように、個々の機器の消費電力だけでなく、同時に何を使うのかまで考えると、必要な容量をイメージしやすくなります。
「大容量なら何でも長時間使える」は間違い
ポータブル電源では、「容量が大きいほど何でも長時間使える」と考えがちですが、容量だけでは判断できません。
例えば、容量が大きくてもAC出力が小さければ、消費電力の大きな家電を使用できないことがあります。
また、使用したい家電を動かせたとしても、その家電の消費電力が大きければ、バッテリーは早く減っていきます。
そのため、停電対策としてポータブル電源を選ぶ際には、
容量(Wh)=どれくらいの電力量を蓄えられるか
出力(W)=どれくらいの電力を取り出せるか
消費電力(W)=使う機器がどれだけ電力を必要とするか
の3つをセットで考えることが重要です。
実際の使用時間は「目安」として考える
ここまでの計算をまとめると、基本的な考え方は、
ポータブル電源の容量(Wh)×利用可能率 ÷ 機器の消費電力(W)=使用時間の目安
です。
ただし、利用可能率は製品によって異なり、実際の使用時間には次のような要素も影響します。
- AC・DC・USBなど出力方式の違い
- 電力変換によるロス
- ポータブル電源本体の待機電力
- 家電の運転状況
- 周囲の温度
- 使用する機器の起動時電力
- 複数機器を同時に使用するかどうか
特に冷蔵庫のように運転と停止を繰り返す機器では、定格消費電力だけでは実際の使用時間を正確に求めることはできません。
だからこそ、ポータブル電源を選ぶ際には、容量の数字だけを見るのではなく、自宅で使いたい家電の消費電力と、想定している停電時間を組み合わせて考えることが大切です。
PECRONのポータブル電源を停電対策に活用する
ここまで見てきたように、停電対策でポータブル電源を選ぶときは、容量(Wh)だけでなく、AC出力、USB・DC出力、充電方法、使用する家電などをまとめて考えることが大切です。
実際に必要となるスペックは、「スマートフォンを中心に使いたいのか」「照明や扇風機などの小型家電も使いたいのか」「冷蔵庫などの家庭用家電までバックアップしたいのか」によって変わります。
ここでは、PECRONのポータブル電源を例に、それぞれの容量・出力と、停電時に想定しやすい使い方を紹介します。
大容量・高出力で幅広い機器に対応する「F3000LFP」
F3000LFPは、容量3072Wh、AC定格出力3600Wの大容量・高出力モデルです。瞬間最大出力は4500W(5秒)で、冷蔵庫や電子レンジ、IH調理器など、比較的消費電力の大きな家電を含めて幅広い機器への給電を想定できます。
また、AC充電に加えて最大1600Wのソーラー充電に対応し、AC+ソーラーでは最大2800Wの入力に対応しています。長時間の停電を想定し、「できるだけ多くの生活家電をバックアップしたい」という家庭では、大容量を活かしやすいモデルです。
一方で、本体重量は約28.7kgあるため、日常的に頻繁に持ち運ぶというより、家庭でのバックアップ電源として設置して使う場面に向いています。
停電対策としては、例えば次のような使い方が考えられます。
- 冷蔵庫などの家庭用家電への給電
- 複数の機器を同時に使用
- 長時間の停電に備えた電力確保
- ソーラーパネルを組み合わせた充電
ただし、実際に冷蔵庫などをどの程度の時間使用できるかは、家電の消費電力、運転状況、使用環境などによって変わります。容量3072Whだけを見て具体的な稼働時間を判断することはできません。
容量と持ち運びやすさのバランスを考える「F1000LFP」
F1000LFPは、容量960Wh、AC定格出力1500Wのモデルです。約10.85kgの本体に、最大600Wのソーラー入力、最大1000WのAC充電、UPS機能などを備えています。
大容量モデルほどではないものの、スマートフォンや照明だけでなく、扇風機、冷蔵庫などの比較的幅広い家電への給電を考えやすい容量・出力になっています。
また、0~80%まで約50分、0~100%まで約1.3時間という高速充電にも対応しているため、普段から使用しながら、台風が近づいたときに充電を済ませておくといった使い方にも向いています。
停電対策では、例えば次のような用途が考えられます。
- スマートフォンや通信機器の充電
- LED照明や扇風機の使用
- 冷蔵庫などのバックアップ
- 小型家電の使用
- ソーラーパネルや車からの充電
ただし、冷蔵庫などを長時間使用する場合は、960Whという容量だけでは実際の稼働時間を判断できません。前章で説明した計算方法を使い、家電側の消費電力や運転時間を確認することが大切です。
コンパクトさと容量のバランスを取る「E500LFP」
E500LFPは、容量576Wh、AC定格出力600Wの比較的コンパクトなモデルです。本体重量は約6.75kgで、最大100Wのソーラー入力、USB-C最大100W出力、UPS機能にも対応しています。
スマートフォンやタブレット、LED照明などの充電に加え、消費電力の比較的小さい扇風機や小型家電などにも活用できます。
停電時だけでなく、普段からキャンプや車中泊などで使いながら、防災用の電源として備えておくという使い方にも向いています。
停電対策としては、
- スマートフォンの充電
- LEDライト・ランタンへの給電
- USB機器の使用
- 小型扇風機などの使用
- 短時間の電源バックアップ
といった用途が考えられます。
ただし、AC出力は600Wなので、消費電力の大きな家電には対応できない場合があります。使用したい機器の定格消費電力を事前に確認しておきましょう。
軽量・コンパクトな「E300LFP」
E300LFPは、容量288Wh、AC定格出力600Wの小型モデルです。本体重量は約4.8kgと比較的軽く、USB-C最大100W出力、12V・24VのDC出力、最大100Wのソーラー入力、UPS機能などを備えています。
大容量の電源を必要としない家庭や、最低限の通信・照明用電源を確保したい場合などに使いやすいサイズです。
例えば、
- スマートフォンの充電
- LEDライトの使用
- USB機器への給電
- 小型扇風機などの使用
- 持ち出し用の予備電源
などが考えられます。
本体が約4.8kgと比較的軽いため、停電時だけでなく、車中泊やアウトドアなどへ持ち出して使いやすいのも特徴です。
4モデルの違いを比較する
停電対策として考える場合、4モデルの違いは次のように整理できます。
| モデル | 容量 | AC定格出力 | 本体重量 | 停電時に想定しやすい用途 |
|---|---|---|---|---|
| F3000LFP | 3072Wh | 3600W | 約28.7kg | 冷蔵庫・複数家電・長時間のバックアップ |
| F1000LFP | 960Wh | 1500W | 約10.85kg | 通信機器・照明・扇風機・幅広い家電 |
| E500LFP | 576Wh | 600W | 約6.75kg | スマホ・照明・USB機器・小型家電 |
| E300LFP | 288Wh | 600W | 約4.8kg | スマホ・照明・小型USB機器・持ち出し用 |
ただし、この表は「このモデルなら必ずこの家電が何時間使える」という意味ではありません。
例えば同じ冷蔵庫を使う場合でも、季節、設定温度、庫内の状態、扉の開閉回数などによって消費電力は変わります。また、複数の機器を同時に使用すれば、当然ながらポータブル電源の電力消費も増えます。
そのため、製品を選ぶときは、
「何を使いたいか」→「どのくらい使いたいか」→「必要な容量・出力はどのくらいか」
という順番で考えることが重要です。
防災用途だけでなく、普段のアウトドアや車中泊でも使用する予定があるなら、日常的な使い方まで含めて必要な容量・サイズを考えると、自宅の生活スタイルに合ったポータブル電源を選びやすくなります。
停電が復旧した後に注意したいこと
停電すると、電気が早く復旧してほしいと考えてしまいます。しかし、電気が戻ったからといって、すぐにすべての家電を使い始めてよいとは限りません。
台風や大雨の後は、浸水や落雷、飛来物などによって電気製品や配線が損傷している可能性があります。そうした状態で通電すると、故障だけでなく、発煙や火災につながるおそれがあります。
停電から復旧したときは、まず家電や配線の状態を確認し、安全を確かめてから少しずつ使用を再開しましょう。
いきなり家電を通電させない
電気が復旧した直後に、すべての家電を一度に使い始めるのは避けましょう。
特に停電中に使用していた電熱器具は、復旧時に意図せず作動すると火災につながる可能性があります。NITEは、停電時には電気ストーブなどの電熱器具の電源を切り、可能であれば電源プラグをコンセントから抜いておくよう案内しています。
また、自宅から避難する際には、状況に応じて分電盤のブレーカーを切ることも重要です。停電中に家電が倒れたり、電源コードが損傷したりした場合、電気が復旧したときにそのまま通電してしまう可能性があるためです。
浸水した家電は使わない
台風や大雨で床上・床下浸水などが発生した場合、水に濡れた家電製品を「乾いたから大丈夫」と自己判断して使うのは危険です。
外側が乾いていても、製品内部には水や泥、塩分などが残っている可能性があります。通電によってショートや発熱が起こり、火災につながるおそれがあります。
消防庁は、浸水などで一度水に濡れた電化製品は使用せず、電源を入れないよう注意しています。NITEも、水害によって内部に水が入った製品が、その後の発熱・焼損事故につながった事例を紹介しています。
水に濡れた家電については、乾燥させれば自己判断で再使用するのではなく、メーカーや販売店などに相談し、必要に応じて点検・修理を受けることが大切です。
コード・コンセント・プラグを確認する
浸水していない家電であっても、停電復旧後は外観を確認してから使用しましょう。
特に確認したいのが、
- 電源コードに傷や断線がないか
- 電源プラグに変形や焼けた跡がないか
- コンセントに水が入っていないか
- 本体が転倒・落下して破損していないか
- 焦げた跡や異常なにおいがないか
といった点です。
NITEは、被害を免れた製品についても、電源プラグやコード、製品本体に異常がないか確認したうえで、機器を1台ずつ接続して様子を見るよう案内しています。
異音、異臭、異常な発熱、エラー表示などがある場合は、そのまま使い続けず、電源を切ってメーカーや販売店に相談しましょう。
通電火災に注意する
「通電火災」とは、停電からの復旧などによって電気が再び流れた際に、損傷した電気製品や配線などが原因となって発生する火災です。
例えば、停電中に倒れた電気ストーブの近くに衣類や布団などの可燃物がある状態で電気が復旧すると、火災につながる可能性があります。
また、浸水などによって内部が損傷した電気製品に再び電気が流れることで、発煙や発火につながることもあります。
そのため、停電が復旧したときは、
① 家電のスイッチを確認する
② 浸水・破損していないか確認する
③ 電源コードやプラグを確認する
④ 異常がなければ1台ずつ使用を再開する
という順番で確認すると安全です。
停電復旧後のチェック項目
最後に、電気が復旧したときに確認しておきたいポイントを整理します。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 家電の状態 | 転倒・破損・浸水がないか |
| 電源コード | 傷・断線・溶け・焦げがないか |
| 電源プラグ | 変形・焦げ・水濡れがないか |
| コンセント | 水が入っていないか、異常がないか |
| 電熱器具 | スイッチが切れているか |
| 異常の有無 | 異音・異臭・異常な発熱がないか |
| 使用再開 | 問題のない機器から1台ずつ確認する |
停電復旧は防災対策の終わりではありません。特に台風や浸水を伴う停電では、「電気が戻った後に安全に使えるか」を確認するところまでが停電対策です。
少しでも異常がある家電は無理に使用せず、メーカーや販売店などへ相談することが、事故を防ぐための基本です。
台風・停電対策に関するFAQ
台風や停電への備えは、家庭の環境や家族構成によって必要なものが変わります。ここでは、事前に確認しておきたい代表的な疑問についてまとめます。
Q. 台風が来る前に何を準備すればいい?
A. 気象情報の確認、家の外の安全対策、避難場所の確認、停電への備えを早めに済ませておくことが大切です。
具体的には、台風の進路や警報・注意報を確認し、飛ばされそうな物を屋内へ移動・固定します。また、窓や雨戸、側溝・排水口、避難経路なども確認しておきましょう。
停電に備えて、スマートフォン、モバイルバッテリー、LEDライト、ラジオなどを充電・点検し、ポータブル電源を使用する場合は事前に充電しておくと安心です。
政府広報では、在宅避難に備えて水・食料を3日から1週間分程度備蓄し、暑さ・寒さへの対策や蓄電・発電機なども準備しておくよう案内しています。
Q. 停電に備えて水は何日分必要?
A. 最低3日分、できれば1週間分を目安に備えておくとよいでしょう。
政府広報では、災害時の備蓄として、1人1日3L程度の飲料水を目安に、最低3日から1週間分を備えることが望ましいとされています。
例えば4人家族なら、飲料水だけで1日あたり約12Lが必要になります。
また、飲料水とは別に、調理や生活用水が必要になることもあります。自宅の給水方式や断水時の対応についても、平時に確認しておきましょう。
Q. 停電したら冷蔵庫はどうすればいい?
A. まず扉の開閉を最小限にし、できるだけ冷気を逃がさないようにします。
農林水産省によると、扉を開けない状態では、冷蔵庫は約4時間、冷凍庫は約1~2日間、低温を保持できるとされています。ただし、これは気温や庫内の食品量などによって変わる目安です。
停電が長引く場合は、保冷剤やクーラーボックスの活用も考えられます。
また、保存温度が適切に保たれなかった要冷蔵・要冷凍食品は、見た目やにおいだけで判断せず、食品安全を優先して処分することが大切です。特に肉、魚、惣菜など傷みやすい食品には注意しましょう。
Q. ポータブル電源は防災に必要?
A. 必ずしもすべての家庭に必要というわけではありませんが、停電中も電気を使いたい場合には選択肢の一つになります。
例えば、スマートフォン、照明、扇風機、通信機器などを停電中も使いたい場合、ポータブル電源があると家庭用コンセントが使えない状況でも給電できます。
一方で、照明やスマートフォンだけであれば、乾電池やモバイルバッテリーなどで対応できる場合もあります。
ポータブル電源を選ぶ場合は、容量(Wh)だけでなく、使用したい家電の消費電力、AC出力、USB・DC出力、充電方法などを確認し、自宅の停電対策に合うかどうかを考えることが大切です。
Q. ポータブル電源で冷蔵庫は使える?
A. ポータブル電源の出力・容量と、冷蔵庫側の仕様が合っていれば使用できる場合があります。
ただし、「冷蔵庫だから必ず使える」とは限りません。
冷蔵庫は運転中の消費電力だけでなく、コンプレッサーの起動時に一時的に大きな電力が必要になる場合があります。そのため、ポータブル電源のAC定格出力だけでなく、起動時に対応できる出力や、冷蔵庫の仕様も確認する必要があります。
また、実際の使用時間は、容量だけでは決まりません。庫内温度、周囲の温度、扉の開閉、コンプレッサーの運転状況などによって消費電力が変わるため、実際の稼働時間には幅があります。
Q. 台風のときポータブル電源はどこに置けばいい?
A. 雨水や浸水から守れ、直射日光や高温を避けられる安全な場所で使用・保管してください。
ポータブル電源は、台風だからといってベランダや屋外に置いておくものではありません。
特に水濡れ、高温、強い衝撃などは、リチウムイオン電池を搭載した製品の事故につながる可能性があります。NITEも、高温環境を避けること、水濡れや強い衝撃を避けることなどを注意点として挙げています。
製品ごとに使用・充電条件が異なるため、実際の使用時は必ず取扱説明書やメーカーの指定条件を確認してください。
Q. 停電復旧後に気をつけることは?
A. 電気が復旧しても、家電をすぐにすべて使い始めず、浸水・破損・コード類の状態を確認してください。
特に台風や大雨による浸水があった場合は注意が必要です。
NITEによると、水がかかったり水に浸かったりした家電製品は、内部に水や泥、塩分などが残っていることで、通電後に発火する可能性があります。水に濡れた製品をそのまま使用せず、メーカーや販売店などへ相談することが重要です。
また、停電復旧時には、電源プラグを抜いていた家電や電熱器具などの状態を確認し、問題がないことを確認してから使用を再開しましょう。NITEも、復旧時にはブレーカーの状態や製品の損傷・水没、動作異常などを確認するよう案内しています。
Q. 台風が来る前にポータブル電源を充電しておけば十分?
A. 充電しておくことは重要ですが、それだけで停電対策が完了するわけではありません。
停電が長引けば、ポータブル電源自体の電力も減っていきます。
そのため、モバイルバッテリー、車からの充電、ソーラーパネルなど、複数の充電手段をあらかじめ確認しておくと、長時間の停電にも対応しやすくなります。
また、停電中に何を優先して使うかを決めておくことも大切です。スマートフォンや照明など、情報収集や安全確保に必要な機器を優先することで、限られた電力を効率よく使えます。
まとめ
台風による停電に備えるためには、単に懐中電灯や非常食を用意するだけでは十分とは限りません。
台風が近づく前に、まず気象情報を確認し、家の外にある飛散物や窓、排水口などを確認します。あわせて、避難場所や避難経路、家族との連絡方法も整理しておくことが大切です。
停電が発生したら、照明やスマートフォンなど、生活と情報収集に必要なものを優先します。水や食料、携帯トイレ、衛生用品など、電気がなくても必要になる生活用品も事前に備えておきましょう。
冷蔵庫については、扉をできるだけ開けずに冷気を保ち、保冷剤やクーラーボックスも活用します。停電が長引く場合には、ポータブル電源などによる電源確保も選択肢になります。
ポータブル電源を選ぶ場合は、容量(Wh)だけを見るのではなく、使用したい家電の消費電力、AC・USB・DC出力、充電方法、UPS機能、安全性などを総合的に確認することが重要です。
また、停電が復旧した後も、すぐにすべての家電を使い始めるのではなく、浸水や破損、電源コードやコンセントの状態を確認してください。
「台風が来てから準備する」のではなく、天候が悪化する前に必要なものを確認し、停電中に何を優先するかまで決めておくこと。
これが、台風・停電による生活への影響をできるだけ小さくするための基本的な備えです。
日頃から防災用品や充電機器を点検し、実際に使う場面を想定して準備しておくことで、いざというときにも落ち着いて対応しやすくなります。




















































