- Oct 20
- 作成者 PECRONJAPAN

災害が発生したとき、自宅が安全であれば、そのまま自宅で避難生活を送る「在宅避難」も選択肢の一つです。ただし、停電や断水が長引くと、食料の確保やトイレ、情報収集などに支障が出ることもあります。いざというときに困らないよう、在宅避難の条件と必要な備えを確認しておきましょう。
1. なぜ今、在宅避難が重要なのか?

地震や台風などの災害が発生したとき、避難所へ移動することだけが避難ではありません。自宅の安全が確保されていれば、住み慣れた家で生活を続ける「在宅避難」も選択肢になります。
東京都も、耐震性などの安全性が高い建物では、在宅避難を避難方法の一つとして推進しています。自宅で過ごすことにはメリットがある一方、災害後も安全に生活できる環境と、ライフラインが止まった場合への備えが必要です。<Cite refs={["turn100923view0"]}/>
● 避難所だけでなく、自宅で避難生活を送る選択肢もある
在宅避難とは、災害が発生した際、自宅に倒壊や浸水などの危険がなく、安全に過ごせる場合に、避難所へ移動せず自宅で生活を続けることです。
避難所は、災害によって自宅で生活できなくなった人などが身を寄せる重要な場所です。一方、地域や災害の状況によっては、避難所の生活環境や設備が十分でない場合もあります。自宅が安全であれば、在宅避難によって生活環境の変化を抑えられる可能性があります。
在宅避難の主なメリットは、次のとおりです。
住み慣れた環境で生活を続けられる
自宅で過ごせるため、普段使っている寝具や生活用品を活用できます。小さな子どもがいる家庭や、日常的な介護が必要な家族がいる家庭では、普段の生活に近い環境を維持できることがメリットになります。
プライバシーを確保しやすい
避難所での集団生活とは異なり、家族だけで過ごせるため、着替えや睡眠などのプライバシーを確保しやすくなります。周囲の音や人の出入りが気になりやすい方にとっても、自宅で生活できることは利点の一つです。
自分の生活に合わせて備蓄品を管理できる
普段から自宅に食料や生活用品を備えておけば、災害時にも使い慣れたものを活用できます。家族の食事の好みやアレルギー、必要な日用品などに合わせて備蓄を管理できる点もメリットです。
ただし、在宅避難を選んだからといって、食料や水が自動的に確保されるわけではありません。物流の停止や店舗の営業状況によっては、必要な物資をすぐに購入できないことも考えられます。
自宅での生活を続ける場合も、水・食料・衛生用品などを事前に備えておくことが重要です。
また、在宅避難と避難所への避難は、必ずしもどちらか一方に決めておく必要はありません。自宅で安全に過ごせる間は在宅避難を続け、建物の損傷や周囲の状況によって危険が生じた場合には、安全な場所へ移動するなど、状況に応じて判断することが大切です。
● 自宅が安全かどうかを事前に確認する
在宅避難を考えるうえで、最も重要なのは自宅の安全性です。建物が地震に耐えられるかだけでなく、浸水や土砂災害の危険がないか、室内で安全に移動できるかなども確認しておきましょう。
建物の耐震性と室内の安全を確認する
大きな地震が発生した際、建物の損傷や家具の転倒によって、自宅での生活が困難になる場合があります。特に、背の高い家具や大型家電が倒れると、けがにつながるだけでなく、玄関や廊下をふさいで避難の妨げになるおそれもあります。
東京都は、地震による負傷者の30~50%が家具類の転倒・落下・移動に関連していると案内しています。家具の配置を見直し、必要に応じて固定器具を設置するなど、普段から対策を進めておきましょう。<Cite refs={["turn100923view2","turn114678search1"]}/>
確認しておきたいポイントは、次のとおりです。
-
タンスや食器棚などの大型家具を固定する
-
テレビや家電製品の転倒・落下を防ぐ
-
窓や家具のガラスに飛散防止対策を施す
-
玄関や廊下、寝室からの避難経路を確保する
-
建物に大きな損傷がないか、災害後も安全に居住できる状態か確認する
なお、建物に大きな損傷がある場合や、火災・ガス漏れなどの危険がある場合は、無理に自宅にとどまらず、安全な場所へ避難してください。
ハザードマップで自宅周辺の災害リスクを確認する
建物自体に問題がなくても、立地によっては洪水や土砂災害、高潮、津波などの危険がある場合があります。
国土交通省などが提供する「ハザードマップポータルサイト」では、住所から周辺の災害リスクを確認できます。自宅の場所だけでなく、避難先やそこまでの経路についても確認しておくと、災害時の判断に役立ちます。<Cite refs={["turn100923search0"]}/>
平時には、次の項目を確認しておきましょう。
-
洪水による浸水想定区域に該当していないか
-
土砂災害警戒区域などに該当していないか
-
高潮や津波による被害が想定されていないか
-
避難所や安全な避難先までの経路を把握しているか
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自治体から発表される避難情報をどこで確認できるか
ただし、ハザードマップに危険区域として表示されていない場合でも、すべての災害リスクがなくなるわけではありません。実際の災害時には、気象情報や自治体の避難情報、周囲の状況も確認し、必要に応じて避難しましょう。
自宅が安全でない場合や、浸水・土砂災害などの危険が迫っている場合は、在宅避難にこだわらず、安全な場所への避難を優先してください。
● 在宅避難で困りやすいのはライフラインの停止
自宅が安全でも、電気・水道・ガスなどのライフラインが停止すると、普段どおりの生活を続けることが難しくなります。
特に、災害による停電や断水は、調理や衛生管理、情報収集など、日常生活のさまざまな場面に影響します。普段は当たり前に利用している設備が使えなくなることを想定し、必要な物資を準備しておくことが大切です。
停電による影響
停電すると照明や冷蔵庫、電子レンジなどが使用できなくなるほか、スマートフォンや通信機器の充電も難しくなります。夏場は扇風機やエアコンが使えなくなることで暑さへの対策が必要になり、冬場は暖房器具が使用できなくなる場合があります。
また、災害に関する情報を確認するための通信手段や、家族との連絡手段を確保することも重要です。スマートフォンの充電手段、電池式の照明、必要に応じた予備の電源などを準備しておきましょう。
断水・排水設備の停止による影響
断水すると飲み水だけでなく、手洗いや調理、洗面などにも支障が出ます。また、建物内の排水管が破損している場合などは、水が出てもトイレを通常どおり使用できないことがあります。
飲料水と生活用水をどう確保するかに加え、携帯トイレや衛生用品の備蓄も欠かせません。トイレが使えない状況を想定し、家族の人数に応じた数量を準備しておきましょう。
ガスの供給停止による影響
ガスが使えなくなると、ガスコンロや給湯器などが使用できなくなる場合があります。調理が必要な食品ばかりを備蓄していると、災害時に食事の準備が難しくなる可能性があります。
そのため、加熱せずに食べられる食品や、常温で保存できる食品も用意しておくと安心です。カセットコンロなどを備える場合は、使用上の注意や換気方法を確認し、安全に使用できる環境を整えておきましょう。
このように、在宅避難では建物の安全を確保するだけでなく、ライフラインが停止した場合にも生活を続けられる備えが必要です。
水や食料、携帯トイレ、照明、情報収集手段などを準備し、家族の人数や健康状態、住んでいる地域の災害リスクに合わせて備蓄内容を見直しておきましょう。
2. 在宅避難には何日分の備蓄が必要?

在宅避難に備えるなら、まずは水と食料を確保することが重要です。大規模な災害では、電気・水道・ガスなどのライフラインが停止したり、物流が滞ってスーパーやコンビニで食品を購入できなくなったりする可能性があります。
農林水産省は、災害時の家庭備蓄について、最低3日分、できれば1週間分を、家族の人数に応じて用意することを推奨しています。地域の災害リスクや支援物資の供給状況によっては、さらに多めの備蓄を検討することも大切です。<Cite refs={["turn915338search1","turn915338search3"]}/>
備蓄というと、長期保存できる非常食を大量に購入するイメージがあるかもしれません。しかし、普段から食べている食品や飲料水を少し多めに買い置きしておく方法でも、家庭備蓄を進められます。
まずは、水と食料の必要量を把握し、家族が無理なく生活できる備蓄を整えていきましょう。
● 水と食料は最低3日分、できれば1週間分
在宅避難に備える際は、水と食料を最低3日分、可能であれば7日分用意することを目標にしましょう。
災害の規模によっては、支援物資が届くまでに時間がかかることがあります。停電や断水によって調理や買い物が難しくなることも考えられるため、ライフラインが止まっても食事や水分を確保できるように準備しておくことが大切です。
農林水産省によると、飲料水と調理用水を合わせて、1人あたり1日約3Lが備蓄量の目安とされています。したがって、最低3日分では1人あたり9L、1週間分では21Lが必要になります。<Cite refs={["turn915338search4"]}/>
| 備蓄するもの | 3日分の目安 | 7日分の目安 |
|---|---|---|
| 水 | 1人あたり約9L | 1人あたり約21L |
| 食料 | 1日3食を想定して9食分 | 1日3食を想定して21食分 |
※水の量は飲料用と調理用の合計です。手洗いや洗顔、入浴、トイレなどに必要な生活用水は別途考える必要があります。また、食料の必要量は年齢、活動量、食事内容などによって異なります。
災害時には、飲料水だけでなく、食事に必要な水や衛生管理に使用する水も不足しやすくなります。飲料水と生活用水を分けて考え、浴槽に水をためる、給水拠点を事前に確認するなど、家庭の状況に合った対策も検討しましょう。
また、食料は単に日数分の食事を確保するだけでなく、できるだけ普段に近い食事を続けられるように準備することが大切です。主食だけに偏らず、たんぱく質を含む食品や野菜、汁物なども組み合わせると、食事のバランスを保ちやすくなります。
最初から1週間分をすべてそろえるのが難しい場合は、まず3日分を準備し、その後、少しずつ7日分まで増やしていく方法もあります。
● 家族の人数別に必要な水の量を確認する
水の備蓄量は、家族の人数と避難生活を想定する日数によって変わります。購入する前に必要量を計算しておくと、備蓄不足を防ぎやすくなります。
1人あたり1日3Lを目安にすると、必要な水の量は次のとおりです。
| 家族の人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 9L | 21L |
| 2人 | 18L | 42L |
| 4人 | 36L | 84L |
例えば、4人家族で1週間分を準備する場合、飲料用と調理用だけでも約84Lが必要です。2L入りのペットボトルなら42本に相当するため、一度に購入すると保管スペースや運搬の負担が大きくなることがわかります。
そのため、家庭備蓄では、保管場所を確保しながら少しずつ必要量をそろえる方法も有効です。長期保存水だけでなく、普段から飲んでいるミネラルウォーターなどを多めに買い置きし、古いものから使って補充する方法もあります。
ただし、この計算量は飲料用と調理用の目安であり、生活用水を含んでいません。乳幼児がいる家庭や、介護・療養などで水を多く必要とする家庭では、個々の事情に合わせて追加の備蓄を考えましょう。
また、水は重量があるため、保管場所も重要です。収納スペースに余裕があれば、複数の場所に分けて保管すると、災害時に一部の場所へ立ち入りにくくなった場合にも対応しやすくなります。
水の備蓄は、家族の人数×1日3L×必要日数で計算し、無理のない範囲で3日分から1週間分へと増やしていくことがポイントです。
● 災害時に必要な食料を無理なく備える
在宅避難では、災害発生後も数日から1週間程度、家庭にある食品を中心に食事を用意できるようにしておくことが大切です。
食料を備蓄するときは、主食だけでなく、たんぱく質を含む食品や副菜、飲み物などを組み合わせましょう。また、停電や断水で調理が難しくなることも想定し、開封してすぐに食べられる食品も用意しておくと安心です。
主食:エネルギーを確保する食品
主食には、米、パックご飯、アルファ化米、乾麺、カップ麺、保存性の高いパン、シリアルなどがあります。
アルファ化米は、水やお湯を加えて食べられる製品が多く、常温保存できるため、災害用の備蓄食品として活用しやすい食品です。ただし、水やお湯が必要な製品もあるため、調理方法と必要な水の量を確認しておきましょう。
災害時には必ずしもお湯を沸かせるとは限らないため、開封してすぐに食べられるパンやクラッカーなども組み合わせると、調理が難しい状況でも食事を確保しやすくなります。
主菜:たんぱく質を補う食品
主菜には、魚や肉の缶詰、豆類の水煮、レトルトのカレーや丼の具、常温保存できるたんぱく質を含む食品などが挙げられます。
缶詰やレトルト食品は、保存性が高く、比較的簡単に食事へ取り入れられることが特徴です。普段から食べ慣れている食品を中心に選ぶと、災害時にも食べやすく、無理なく備蓄を続けられます。
ただし、レトルト食品の中には湯せんなどの加熱が必要なものもあります。停電や断水時にも利用できるよう、そのまま食べられる食品も一定量用意しておきましょう。
副菜・飲み物:栄養バランスを補う食品
副菜には、野菜ジュース、果汁飲料、インスタントスープ、乾燥わかめ、のり、梅干しなどがあります。ビタミンやミネラル、食物繊維などが不足しやすい状況を考え、主食・主菜と組み合わせて備えておくとよいでしょう。
また、チョコレートやビスケットなど、普段から食べ慣れている菓子類も備蓄に取り入れられます。食事に変化をつけられる食品を用意しておくことは、避難生活の負担を和らげるうえでも役立ちます。
家族の状況に合わせた食品も忘れずに
必要な食品は、家族構成や健康状態によって異なります。乳幼児がいる場合は粉ミルクや液体ミルク、離乳食、おむつなどを、高齢者がいる場合は食べやすさや嚥下機能に配慮した食品などを準備しましょう。
食物アレルギーがある方、慢性疾患のある方、食事制限が必要な方についても、普段の食事や療養に必要な食品を確認しておくことが重要です。ペットと暮らしている場合は、ペットフードや飲み水なども備蓄の対象になります。
農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」では、一般的な家庭備蓄に加え、乳幼児、高齢者、慢性疾患のある方、食物アレルギーのある方など、特別な配慮が必要な方に向けた情報も公開されています。
● ローリングストックで備蓄を続ける
食品備蓄を無理なく続ける方法として、農林水産省も推奨しているのが「ローリングストック」です。
ローリングストックとは、普段使っている食品を少し多めに買い置きし、賞味期限が近いものや古いものから日常生活で消費し、使った分を買い足すことで、一定量の備蓄を保つ方法です。
特別な非常食を一度に大量購入する必要がないため、費用や保管スペースの負担を抑えながら備蓄を続けやすくなります。
実践するときは、次の3つを意識しましょう。
① 普段使う食品を少し多めに買う
米、パックご飯、缶詰、レトルト食品、飲料水など、日常生活で使う食品を少し多めに購入します。家族が普段から食べ慣れている食品を選ぶと、備蓄専用の食品を買い続けるよりも無駄が出にくくなります。
② 古いものから使う
食品の賞味期限や保存状態を定期的に確認し、古いものから使っていきます。備蓄品を収納するときは、新しく買った食品を奥に、先に使いたい食品を手前に置くなど、取り出しやすい工夫をすると管理しやすくなります。
③ 使った分を買い足す
日常生活で備蓄品を消費したら、その分を買い足して補充します。これにより、災害時に必要な量を継続して確保しやすくなります。
例えば、普段から缶詰を12缶備蓄している家庭なら、日常生活で3缶使ったタイミングで3缶を買い足すことで、一定の備蓄量を維持できます。水やレトルト食品などにも同じ考え方を取り入れられます。
なお、ローリングストックでは、賞味期限だけでなく保存方法にも注意してください。開封後の食品や、指定された保存条件を満たしていない食品は、備蓄品として適切でない場合があります。商品の表示に従って保管し、定期的に状態を確認しましょう。
一度に完璧な備蓄を目指すのではなく、普段の買い物に少しずつ取り入れ、使った分を補充することが、継続的な防災対策につながります。
3. 在宅避難を支える必須備蓄リスト

在宅避難に備えるには、水や食料だけでなく、トイレ用品、衛生用品、常用薬、照明、情報収集に必要な機器なども準備しておくことが大切です。
災害が発生すると、停電や断水によって普段使っている設備が利用できなくなったり、店舗や物流が停止して必要なものを購入できなくなったりする場合があります。そのため、普段の生活で必要なものを洗い出し、家庭の人数や健康状態に合わせて備蓄しておきましょう。
ここでは、在宅避難に備えて用意したい物資を4つのカテゴリーに分けて紹介します。
● 水・食料・調理用品
水や食料は、在宅避難を続けるために欠かせない備蓄品です。第2章で紹介した必要量を参考に、最低3日分、できれば1週間分を目安に準備しましょう。
特に、停電や断水が発生すると、冷蔵庫や電子レンジ、IHクッキングヒーターなどが使えなくなる場合があります。調理しなくても食べられる食品や、少ない水で準備できる食品を組み合わせておくと安心です。
準備しておきたい水・食料・調理用品
| 備蓄品 | 用意するもの・確認すること |
|---|---|
| 飲料水・調理用水 | 家族の人数に応じて必要量を確保する |
| 主食 | パックご飯、アルファ化米、缶詰パン、クラッカー、シリアルなど |
| 主菜 | 肉・魚の缶詰、豆類、レトルト食品など |
| 副菜・飲み物 | 野菜ジュース、即席スープ、乾物、日持ちする野菜など |
| 調理用品 | カセットコンロ、対応するカセットボンベ、鍋、やかんなど |
| 食器・調理補助用品 | 紙皿、割り箸、ラップ、食品用ポリ袋、キッチンばさみなど |
食品は、加熱しなくても食べられるものと、温めると食べやすいものを組み合わせておくのがおすすめです。停電時でも食事を確保しやすくなるだけでなく、食べ慣れた食品を取り入れることで、災害時の食生活を整えやすくなります。
また、カセットコンロがあれば、電気や都市ガスが止まった場合でも、適切な条件のもとでお湯を沸かしたり、食品を温めたりできます。農林水産省の食品ストックガイドでは、カセットボンベの備蓄量の目安として、1人あたり1週間に約6本を紹介しています。ただし、必要量は使用頻度や調理内容によって変わるため、家庭での使い方に合わせて準備しましょう。
カセットコンロを使用する際は、安全面にも注意が必要です。
-
製品の取扱説明書に従い、十分に換気できる場所で使用する。
-
コンロを覆うような大きな鍋や鉄板を使用しない。
-
複数のコンロを並べて使用しない。
-
カセットボンベは指定された方法で装着し、高温になる場所を避けて保管する。
-
古いコンロやボンベは、使用前に劣化やガス漏れの兆候がないか確認する。
災害時であっても、換気が不十分な場所で燃焼器具を使用すると、一酸化炭素中毒などの危険があります。安全に使用できる環境を確保できない場合は、無理に使用せず、開封するだけで食べられる食品を活用しましょう。
参考:
● 携帯トイレ・衛生用品
在宅避難で見落としやすい備蓄品の一つが、携帯トイレです。
大きな地震などが発生すると、断水によって水洗トイレが使えなくなることがあります。また、建物内の排水管が損傷している状態でトイレを流すと、汚水の逆流や漏水などの問題が起こるおそれがあります。
そのため、断水時だけでなく、排水設備の安全が確認できない場合にも備え、携帯トイレを用意しておくことが重要です。
携帯トイレは1人1日5回を目安に、最低3日分、できれば1週間分を準備しましょう。 東京都も、1日5回×日数×家族の人数を備蓄量の目安として案内しています。<Cite refs={["turn188104search1","turn188104search3"]}/>
例えば、必要な数量は次のように計算できます。
| 家族の人数 | 3日分の目安 | 7日分の目安 |
|---|---|---|
| 1人 | 15回分 | 35回分 |
| 2人 | 30回分 | 70回分 |
| 4人 | 60回分 | 140回分 |
携帯トイレを選ぶ際は、便器に取り付ける袋、吸収シートや凝固剤など、使用に必要なものがそろっているか確認してください。使用方法は製品によって異なるため、災害が発生する前に一度確認しておくと安心です。
また、使用後の排泄物は、臭いや衛生面に配慮して密封し、自治体の案内に従って処理する必要があります。ごみの回収が遅れる場合も想定し、保管用の袋なども用意しておきましょう。
あわせて準備しておきたい衛生用品
| 備蓄品 | 用途・準備のポイント |
|---|---|
| トイレットペーパー | 東京都は1人あたり1週間1ロールを目安として紹介 |
| ウェットティッシュ | 断水時の手や体の清拭など |
| 手指消毒用品 | 手洗いが難しい場合の衛生対策 |
| ごみ袋・防臭袋 | 使用済みの衛生用品や携帯トイレの処理 |
| 使い捨て手袋 | 排泄物や汚れたものを処理する際に使用 |
| 生理用品・おむつ | 家族の人数や必要量に合わせて準備 |
| マスク | ほこりや衛生面への対策 |
| ドライシャンプー・体拭きシート | 入浴が難しい期間の清潔維持 |
在宅避難では、トイレや手洗いが普段どおりにできないだけでも、生活の負担が大きくなります。携帯トイレと衛生用品は、水や食料と同じように必要量を計算し、保管場所を決めておくことが大切です。
参考:
● 医薬品・生活必需品
災害時には、普段使っている薬や生活用品がすぐに手に入らなくなる可能性があります。避難生活が長引くことも想定し、家庭ごとに必要な医薬品や日用品を準備しておきましょう。
常用薬・救急用品
日常的に薬を服用している方は、医師や薬剤師の指示に従い、災害時にも必要な薬を確保できるよう備えておくことが重要です。
準備しておきたいものには、次のようなものがあります。
-
常用薬と、薬の名称・用法などを確認できる情報
-
お薬手帳や処方内容の控え
-
ばんそうこう、ガーゼ、消毒用品などの救急用品
-
体温計や、家庭で必要とする衛生用品
薬の備蓄量や保管方法については、薬の種類や治療内容によって異なります。自己判断で服用量を変えたり、処方薬を長期間保管したりせず、医師や薬剤師に相談しましょう。
家族の状況に合わせた生活必需品
乳幼児、高齢者、障害のある方、介護が必要な方がいる家庭では、一般的な備蓄品に加えて個別の用品が必要になる場合があります。
例えば、次のようなものを確認しておきましょう。
-
乳幼児用のミルク、離乳食、おむつ、おしりふき
-
高齢者や介護が必要な方の介護用品、尿取りパッド
-
アレルギーや食事制限に対応した食品
-
補聴器の電池や、普段使用する医療・生活補助用品
-
ペットフード、ペット用の飲み水、トイレ用品など
特に、電源が必要な医療機器を使用している場合は、停電時の対応を平時から医療機関や機器の提供元に相談しておくことが大切です。一般的なポータブル電源で使用できるとは限らないため、必要な電力や連続使用時間、機器の対応条件を確認してください。
貴重品・重要情報
現金、身分証明書や保険証などの情報、保険契約や家族の連絡先なども、災害時に必要になる場合があります。
-
現金(小銭や少額紙幣を含む)
-
身分証明書や保険証に関する情報の控え
-
家族や緊急連絡先の一覧
-
保険・住居など重要な契約情報の控え
-
家族の集合場所や連絡方法をまとめたメモ
重要な書類は、原本の保管場所とは別に、必要な情報を安全に確認できるよう整理しておくと便利です。個人情報が含まれるため、控えやデータの保管方法にも配慮しましょう。
● 情報収集・照明用品
災害時は、被害状況や避難情報、ライフラインの復旧状況などを把握するための情報収集手段も重要です。停電すると、家の照明が使えなくなるだけでなく、スマートフォンや通信機器の充電が難しくなる場合もあります。
そのため、電池式の照明や予備電池、通信機器の充電手段などを用意しておきましょう。
| 備蓄品 | 主な用途・確認ポイント |
|---|---|
| 懐中電灯・ヘッドライト | 夜間の移動や作業時に使用 |
| ランタン | 室内を照らすための照明 |
| 予備電池 | 使用する機器に対応したサイズを準備 |
| 携帯ラジオ | スマートフォンが使えない状況での情報収集 |
| モバイルバッテリー | スマートフォンなどの充電 |
| 充電ケーブル | 家族の通信機器に対応するものを準備 |
| 家族の連絡先メモ | 通信障害時にも連絡先を確認できるようにする |
| 避難先・避難経路の地図 | インターネットに接続できない場合の備え |
照明を準備するときは、明るさだけでなく、連続使用時間や電池の種類も確認しておくとよいでしょう。ヘッドライトは両手を空けて作業できるため、暗い場所での片付けや移動にも役立ちます。
スマートフォンは災害情報の確認や家族との連絡に欠かせない一方、動画視聴などで電池を消耗すると、必要なときに使えなくなる可能性があります。災害時は不要なアプリを閉じる、画面の明るさを調整するなど、電池を節約する工夫も大切です。
また、家族の連絡先や避難場所の情報は、スマートフォンだけに保存せず、紙にも控えておくと安心です。
ここまで紹介した備蓄品は、すべてを一度にそろえる必要はありません。まずは水・食料・携帯トイレなど、生活を維持するために欠かせないものから準備し、家族の状況や地域の災害リスクに合わせて必要な用品を追加していきましょう。
在宅避難では、物資を備えるだけでなく、停電や断水が起きた際にどのように使うかを家族で確認しておくことも重要です。
4. 在宅避難における最大の課題「停電」への対策

在宅避難に必要な水や食料を備えていても、停電が発生すると普段どおりの生活を続けることが難しくなります。照明や冷蔵庫が使えなくなるだけでなく、スマートフォンの充電や情報収集、冷暖房にも支障が出るためです。
特に、停電が長引く場合は、限られた電力をどの機器に使うかを考え、必要な電源を確保しておくことが重要です。ここでは、停電が生活に与える影響と、非常時に備えて確認しておきたい電源対策を解説します。
● 停電すると生活にどのような影響がある?
停電が発生すると、家庭内のさまざまな電化製品が使えなくなります。影響の大きさは季節や停電時間、家族構成によって異なりますが、特に注意したいのが、食品の保存、情報収集、室温管理、医療機器への電力供給です。
照明や通信機器が使えなくなる
夜間に停電すると、室内の照明が使えなくなり、移動や作業が難しくなります。また、スマートフォンの電池が切れると、災害情報や自治体からの避難情報を確認したり、家族と連絡を取ったりすることも困難になります。
そのため、懐中電灯や電池式ランタンを備えるとともに、スマートフォンの充電手段を確保しておくことが大切です。電池式のラジオなど、スマートフォン以外の情報収集手段も用意しておくと、通信環境が不安定な場合に役立ちます。
冷蔵庫が停止し、食品の保存が難しくなる
停電すると冷蔵庫や冷凍庫も停止し、庫内の温度が徐々に上がっていきます。停電時間や庫内の状態によっては、食品の品質や安全性に影響するため注意が必要です。
停電したら、冷蔵庫や冷凍庫のドアをできるだけ開閉せず、庫内の冷気を保つようにしましょう。保冷剤などを準備しておくことも、食品の温度上昇を抑えるための備えになります。ただし、停電中に保存していた食品は、見た目や臭いだけで安全性を判断できるとは限りません。
また、冷蔵庫をバックアップ電源で動かしたい場合は、冷蔵庫の消費電力や起動時に必要な電力を確認し、対応する電源を選ぶ必要があります。
夏の暑さや冬の寒さへの対策が難しくなる
夏場にエアコンや扇風機が使えなくなると、室温が上昇し、熱中症のリスクが高まります。特に高齢者や乳幼児、持病のある方がいる家庭では注意が必要です。
厚生労働省も、停電などでエアコンが使用できない場合には、こまめな水分・塩分補給や、涼しい場所への移動などを呼びかけています。室内が危険な暑さになった場合は、電源の復旧を待つだけでなく、冷房の使える施設など安全で涼しい場所への移動を検討してください。<Cite refs={["turn587317search0","turn587317search36"]}/>
冬場も、電気を必要とする暖房器具が使えなくなると、室温を保つことが難しくなります。防寒着や毛布など、電気に頼らずに体温を保つための備えも欠かせません。
在宅医療機器など、電源の確保が欠かせない場合
人工呼吸器など、電力の供給が停止すると健康や生命に影響するおそれがある機器を使用している家庭では、特に入念な準備が必要です。
必要なバックアップ時間や接続できる電源は機器によって異なるため、事前に医療機関や機器の提供元に相談し、停電時の対応方法を確認しておきましょう。電力会社が在宅医療機器の利用者向けに停電情報の提供などを行っている場合もあるため、地域の電力会社の案内も確認しておくと安心です。<Cite refs={["turn138056search7","turn138056search58"]}/>
このように、停電による影響は照明や通信だけにとどまりません。食品保存や温度管理、医療機器の使用など、家庭によって優先すべき電力需要は異なります。
● 停電時に優先して電気を使いたい機器
停電時に限られた電力を有効に使うには、どの機器に電気が必要かを事前に整理しておくことが大切です。すべての家電を普段どおり使おうとするのではなく、情報収集や安全確保、健康維持などに必要な機器を優先しましょう。
以下は、非常時に使用を検討したい機器と、選定時の確認ポイントです。
| 機器 | 使用目的 | 電源を選ぶ際の確認ポイント |
|---|---|---|
| スマートフォン | 災害情報の確認、家族との連絡 | USB出力、充電に必要な電力量 |
| LED照明 | 夜間の照明、室内の安全確保 | 消費電力、点灯時間 |
| Wi-Fiルーター | インターネット通信 | 消費電力、停電中も回線設備が使えるか |
| 冷蔵庫 | 食品の保存 | 消費電力、起動時の電力、必要な運転時間 |
| 扇風機 | 暑い時期の送風 | 消費電力、運転時間 |
| 電気毛布など | 寒い時期の保温 | 消費電力、温度設定、使用時間 |
| 在宅医療機器 | 必要な医療・健康管理 | メーカー指定の電源条件、必要なバックアップ時間 |
これらの機器でも、必要な電力量は製品によって大きく異なります。特に冷蔵庫は、定格消費電力だけでなく、コンプレッサーの起動時に必要な電力や、1日を通した消費電力量を確認しましょう。Wi-Fiルーターについても、停電時には回線側の設備が停止して通信できなくなる場合があります。
電源を選ぶときは、機器の仕様表示や取扱説明書を確認し、必要な出力と電力量を整理しておくと判断しやすくなります。
また、非常時に本当に必要な機器を優先するため、普段から家族で「停電時に何を使うか」「どのくらいの時間使いたいか」を話し合っておきましょう。
● ポータブル電源を備える際の注意点
停電時の電源を確保する方法の一つが、バッテリーに電気を蓄えておき、必要な機器へ給電できるポータブル電源です。ただし、選ぶ際は本体の容量や出力、使用する家電との互換性を確認する必要があります。
特に重要なのが、「定格出力(W)」と「バッテリー容量(Wh)」の違いです。
定格出力は、一度にどの程度の電力を供給できるかを示します。一方、バッテリー容量は、電源本体にどれくらいの電力量が蓄えられているかを示します。
例えば、容量が大きくても定格出力が低い場合は、消費電力の大きい家電を動かせないことがあります。反対に、定格出力が高くても容量が小さければ、電力を多く消費する機器を長時間使用することは難しくなります。
使用時間を見積もる方法
電化製品を使用するために必要な電力量は、次の式で計算できます。
消費電力量(Wh)= 消費電力(W)× 使用時間(時間)
例えば、消費電力が20Wの機器を5時間使用する場合、必要な電力量は100Whです。複数の機器を使う場合は、それぞれの消費電力量を計算して合計します。
一方、ポータブル電源の実際の使用時間は、バッテリー容量をそのまま消費電力で割った値より短くなる場合があります。AC出力を使う場合の変換損失や、機器の運転状況などを考慮する必要があるためです。
使用時間の概算= バッテリー容量(Wh)× 利用可能な割合 ÷ 平均消費電力(W)
ここでいう利用可能な割合は、変換損失や残量管理などを考慮した仮定値です。実際の値は製品や使用条件によって異なります。
また、冷蔵庫や一部のモーターを使用する機器は、起動時に通常運転時より大きな電力が必要になる場合があります。機器の定格消費電力だけでなく、起動時の条件も確認し、ポータブル電源の出力範囲内で使用できるか判断しましょう。
安全に使用するための注意点
ポータブル電源にはリチウムイオン電池などが搭載されている製品が多く、誤った使い方をすると火災などの事故につながるおそれがあります。経済産業省や製品評価技術基盤機構(NITE)も、災害時の使用を含め、安全上の注意を呼びかけています。<Cite refs={["turn587317search3","turn138056search10"]}/>
使用する際は、次の点を守りましょう。
-
取扱説明書に従い、指定された温度や環境で使用・保管する。
-
強い衝撃を与えたり、水にぬらしたりしない。
-
異常な発熱、変形、異臭などが見られた場合は使用を中止する。
-
使用する機器の消費電力や起動時に必要な電力が、電源の仕様に適合しているか確認する。
-
ポータブル電源の出力を家庭の壁コンセントへ差し込み、家の配線に逆送電するような接続は行わない。家庭内配線への給電が必要な場合は、対応する専用設備と適切な施工が必要となる。
なお、燃料を使用する携帯発電機はポータブル電源とは異なる製品です。排気ガスによる一酸化炭素中毒のおそれがあるため、屋内や換気の悪い場所では絶対に使用しないでください。<Cite refs={["turn138056search2","turn138056search8"]}/>
● ソーラーパネルを組み合わせて充電する
停電が長引く場合に備え、ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせて充電手段を確保する方法もあります。
対応するソーラーパネルがあれば、日中に太陽光を利用してポータブル電源へ充電できるため、外部電源を使えない状況でも電力を補える可能性があります。ただし、発電量は日射条件に左右されるため、常に必要な電力を確保できるわけではありません。
100W・200Wのソーラーパネルはどのように使える?
100Wや200Wという表示は、所定の試験条件におけるパネルの最大出力を示します。100Wのパネルより200Wのパネルのほうが、同じ条件であれば多くの電力を発電できますが、実際の発電量は日射の強さや設置角度、気温、周囲の影などによって変わります。
また、発電量は「W」だけでなく「Wh」で考えることも重要です。Wは電力の大きさ、Whは一定時間に得られる電力量を表します。例えば、定格出力に相当する電力を一定時間得られた場合、その出力と時間の積が発電電力量になります。ただし、実際の屋外では定格出力を維持できるとは限りません。
ソーラーパネルとポータブル電源の互換性を確認する
ソーラーパネルを接続する前に、ポータブル電源のソーラー入力仕様を確認しましょう。特に、次の項目が重要です。
-
最大入力電圧とパネルの開放電圧
-
対応する入力電圧の範囲
-
最大入力電流
-
最大入力電力
-
コネクターや接続ケーブルの仕様
パネルの定格出力が大きくても、ポータブル電源の入力上限を超える電力をそのまま取り込めるわけではありません。電圧や電流が対応範囲から外れている場合は、接続できない可能性もあります。
天候によっては十分に充電できないこともある
曇りや雨の日は、晴天時に比べて発電量が大きく減ることがあります。また、周囲の建物や樹木による影、パネルの向きや角度によっても発電量は変動します。
そのため、ソーラーパネルを用意していても、悪天候が続く場合や夜間には十分な電力を補えない可能性があります。停電対策としては、必要な電力量に合わせたバッテリー容量を確保し、電力を優先順位に沿って使用することが重要です。
ソーラー充電は、停電時に電力を補う方法を増やす手段の一つです。ポータブル電源とソーラーパネルの仕様を事前に確認し、必要に応じてほかの防災用品と組み合わせながら、無理のない電源計画を立てておきましょう。
5. 停電時の備えにポータブル電源とソーラーパネルを活用する

停電が長引くと、スマートフォンの充電や照明の確保など、日常生活に必要な電力をどう確保するかが課題になります。その対策の一つが、あらかじめ電気を蓄えておけるポータブル電源と、太陽光を利用して充電できるソーラーパネルの組み合わせです。
ただし、ポータブル電源があれば家庭内のすべての電化製品を使えるわけではありません。バッテリー容量や出力、接続する機器の消費電力によって、使用できる機器や時間は異なります。
ここでは、停電時にポータブル電源を活用する方法と、ソーラーパネルを組み合わせる際の注意点を解説します。
● ポータブル電源でスマートフォンや照明の電力を確保する
ポータブル電源は、内蔵バッテリーに蓄えた電気を、ACコンセントやUSBポートなどから取り出して使用する電源装置です。あらかじめ充電しておけば、停電時にも対応する機器へ給電できるため、通信手段や照明を確保するための備えとして活用できます。
特に、スマートフォンやLED照明など、比較的消費電力の小さい機器は、停電時に優先して電力を確保したいものです。災害情報の確認や家族との連絡、暗い室内での移動などに必要となるため、どの機器をどれくらいの時間使いたいかを事前に整理しておきましょう。
例えば、停電時に使用する機器として、次のようなものが考えられます。
| 機器 | 主な用途 | 使用時間を考える際のポイント |
|---|---|---|
| スマートフォン | 災害情報の確認、家族との連絡 | 充電に必要な電力量や充電回数 |
| LED照明 | 夜間の照明、室内の安全確保 | 消費電力と点灯時間 |
| 携帯ラジオ | 災害情報の収集 | 電池式か充電式か、連続使用時間 |
| Wi-Fiルーター | インターネット通信 | 消費電力と通信回線側の稼働状況 |
| 小型ファン | 暑い時期の送風 | 消費電力と運転時間 |
※消費電力や使用時間は機器によって異なります。また、停電時は通信事業者側の設備も停止する場合があるため、Wi-Fiルーターやスマートフォンに電力を供給できても、必ず通信できるとは限りません。
バッテリー容量と使用時間の関係
ポータブル電源を選ぶ際は、容量の単位であるWh(ワットアワー)を確認しましょう。Whは、バッテリーに蓄えられる電力量を表します。
使用時間は、次の式で概算できます。
使用時間(時間)≒ バッテリー容量(Wh)× 利用可能な割合 ÷ 機器の平均消費電力(W)
例えば、容量500Whのポータブル電源を使用し、利用可能な割合を80%、接続機器の平均消費電力を20Wと仮定すると、計算上の使用時間は約20時間です。
500Wh × 0.8 ÷ 20W = 20時間
ただし、これは計算方法を示すための例であり、実際の使用時間を保証するものではありません。利用可能な割合は製品の特性や使用方法によって異なり、AC出力を利用する場合は変換損失なども発生します。
また、スマートフォンを充電する際は、スマートフォンのバッテリー容量だけでなく、充電時の損失なども考慮する必要があります。複数の機器を同時に使用する場合は、それぞれの消費電力量を合計して考えましょう。
停電時は、必要な機器への給電を優先し、電力を計画的に使うことが大切です。 あらかじめ家族で使用する機器を決め、不要な照明や家電を停止するなど、電力を長く活用するためのルールも決めておくと安心です。
● 冷蔵庫などの家電を使用する際の注意点
ポータブル電源で冷蔵庫や扇風機などの家電を使用する場合は、バッテリー容量だけでなく、出力条件や実際の消費電力も確認する必要があります。
特に、定格出力(W)とバッテリー容量(Wh)は役割が異なるため、両方を確認することが重要です。
-
定格出力(W): 一度にどれくらいの電力を供給できるかを示す。
-
バッテリー容量(Wh): どれくらいの電力量を蓄えられるかを示す。
容量が大きくても、定格出力が不足していれば、消費電力の大きい家電を動かせない場合があります。一方、定格出力に余裕があっても、バッテリー容量が小さければ長時間の使用は難しくなります。
冷蔵庫を使用する場合
冷蔵庫は、機種や庫内温度、周囲の気温、ドアの開閉頻度などによって消費電力量が変わります。コンプレッサーを搭載した機種では、起動時に通常運転時より大きな電力が必要になる場合もあります。
そのため、冷蔵庫の定格消費電力だけでなく、起動時に必要な電力や1日あたりの消費電力量を確認し、ポータブル電源の出力と容量が条件を満たしているかを判断しましょう。
扇風機や電気毛布などを使用する場合
扇風機や電気毛布なども、停電時の暑さ・寒さ対策に役立つ場合があります。ただし、使用できる時間は機器の消費電力とポータブル電源の容量によって変わります。
また、ポータブル電源で電気を供給できることと、健康を守るために十分な室温を保てることは別です。特に夏場、室内が危険な暑さになり、扇風機などでは十分に体を冷やせない場合は、冷房の使える施設など安全で涼しい場所へ移動することも検討してください。
使用する前に確認しておきたいこと
-
接続する機器の消費電力が、ポータブル電源の定格出力内に収まっているか。
-
起動時に必要な電力が、本体の対応条件を満たしているか。
-
必要な使用時間に対して、バッテリー容量が十分か。
-
AC出力・USB出力など、機器に適した出力ポートがあるか。
-
停電時に特別な給電条件が必要な医療機器などは、製造元や医療機関に確認しているか。
なお、ポータブル電源のAC出力を家庭の壁コンセントに差し込み、住宅内の配線に独自に給電することは避けてください。家庭の配線を通して電力を供給する場合は、適切な切替設備や保護装置などが必要になることがあります。
ポータブル電源は、あらかじめ決めた機器に個別に給電する使い方を基本とし、製品の取扱説明書に従って安全に使用しましょう。
● ソーラーパネルで停電時の充電手段を増やす
停電が長引く場合には、ポータブル電源と対応するソーラーパネルを組み合わせることで、太陽光を利用して電力を補える可能性があります。
あらかじめ充電しておいたポータブル電源の残量が減っても、日中にソーラーパネルで充電できれば、外部電源が使えない状況での充電手段を増やせます。ただし、実際に充電できる電力量は天候や設置環境によって変わります。
ソーラーパネルとポータブル電源の接続方法
ポータブル電源のソーラー入力に対応したパネルを接続すると、パネルが発電した直流電力を本体へ送り、内蔵バッテリーに蓄えることができます。
ただし、ソーラーパネルなら何でも接続できるわけではありません。購入前に、次の仕様を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 最大入力電圧 | パネルの開放電圧が本体の上限を超えないようにするため |
| 対応する入力電圧範囲 | パネルの動作電圧が充電に必要な範囲に適合するか確認するため |
| 最大入力電流 | パネルの電流が本体の許容値を超えないようにするため |
| 最大入力電力 | 本体が受け入れられる電力の上限を確認するため |
| コネクター・ケーブル | 正しい方法で接続できるか確認するため |
例えば、200Wのソーラーパネルを使用しても、ポータブル電源のソーラー入力上限が100Wであれば、200Wの電力をそのまま受け入れられるわけではありません。また、電圧や電流の条件が合わない場合は、正常に充電できない可能性があります。
ソーラー入力に対応するポータブル電源の多くは、本体に充電制御機能を備えています。ただし、対応する接続方法や必要なケーブルは製品によって異なるため、取扱説明書を確認して使用してください。
100W・200Wのソーラーパネルにはどのような違いがある?
100Wや200Wという表示は、所定の条件で測定されたパネルの最大出力を示します。同じ条件であれば、200Wのパネルは100Wのパネルより多くの電力を発電できる可能性があります。
一方、定格出力は1時間あたりの発電電力量を直接示すものではありません。例えば、200Wのパネルが定格出力相当の電力を3時間維持できた場合、計算上の発電電力量は600Whですが、実際の屋外では日射条件が変化するため、必ず600Wh発電できるわけではありません。
さらに、パネルの発電量は次のような要因によって変わります。
-
晴天・曇天・雨天などの天候
-
季節や日照時間
-
パネルの設置角度や向き
-
建物や樹木などによる影
-
パネル表面の状態や温度
そのため、ソーラーパネルを備えていても、悪天候が続く場合や夜間は十分に充電できない可能性があります。
停電時にソーラー充電を活用する場合は、発電量を過信せず、必要な電力量に合わせたバッテリー容量と、電力を優先的に使う計画を用意しておきましょう。
また、ソーラーパネルとポータブル電源は、停電時の電源を確保する手段の一つです。家庭全体の電力を自動的にまかなえるとは限らないため、照明や通信機器などの必要な機器に個別に給電する方法を基本として考えることが大切です。
● 日頃から行っておきたい電源の準備
災害が発生してから初めてポータブル電源やソーラーパネルを使おうとすると、接続方法がわからなかったり、必要なケーブルが見つからなかったりする場合があります。いざというときに備え、平常時から使い方や保管方法を確認しておきましょう。
① バッテリー残量と充電方法を定期的に確認する
ポータブル電源は、長期間使用しない場合でも、メーカーが指定する方法で保管・管理する必要があります。推奨される保管残量や点検頻度は製品ごとに異なるため、取扱説明書に従いましょう。
② 必要な機器を接続して動作を確認する
スマートフォンの充電や照明への給電など、停電時に使いたい機器を実際に接続し、正常に動作するか確認しておくと安心です。冷蔵庫などの家電に使用する場合も、接続条件と出力に問題がないか、事前に確認しておきましょう。
③ 安全な場所で保管する
ポータブル電源は、強い衝撃や高温環境を避け、メーカーが指定する条件で保管してください。異常な発熱、変形、異臭などが見られる場合は使用を中止し、メーカーや販売元に相談しましょう。
また、屋外でソーラーパネルを使用する際は、風で倒れたり飛ばされたりしないように設置し、雨や水ぬれに対する使用条件も守る必要があります。
④ 家族で停電時の行動を共有する
どの機器に電力を使うか、ポータブル電源をどこに保管するか、取扱説明書をどこで確認できるかなどを家族で共有しておきましょう。必要な機器や使用する時間帯を決めておくと、限られた電力を計画的に使いやすくなります。
停電への備えは、電源を購入するだけでは十分ではありません。必要な電力量を把握し、安全に使用できることを確認したうえで、家庭の状況に合った使い方を準備しておくことが大切です。
6. 在宅避難に役立つポータブル電源・ソーラーパネルセット4選
停電時に必要な電力を確保する方法の一つが、ポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせです。事前に充電しておけば、停電時に対応する機器へ給電でき、ソーラーパネルを利用すれば日中に電力を補える可能性もあります。
ただし、必要な容量や出力は、家庭で使用する機器や使用時間によって異なります。スマートフォンや照明を中心に使う場合と、冷蔵庫などの家電にも電力を供給したい場合では、適した電源が変わります。
ここでは、容量・出力・持ち運びやすさの異なる4つの組み合わせを紹介します。停電時に使用したい機器と必要な電力量を考えながら、自分の家庭に合った選択肢を検討してみましょう。
● 大容量・高出力を重視するなら「F3000LFP+200Wソーラーパネル」

主な仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| バッテリー容量 | 3,072Wh |
| AC定格出力 | 国内向けの100V使用条件を要確認 |
| 瞬間最大出力 | 4,500W(約5秒) |
| ソーラー入力上限 | 最大1,600W |
| ソーラー入力電圧 | 25~120V DC |
| 最大ソーラー入力電流 | 25A |
| 本体重量 | 約28.7kg |
PECRON F3000LFP+200Wソーラーパネル|公式セットページ
F3000LFPは、容量3,072Whの大容量バッテリーを搭載したポータブル電源です。停電時に複数の機器へ電力を供給したい場合や、比較的消費電力の大きい家電も使用できる電源環境を検討している場合に候補となります。
例えば、スマートフォンや照明に加えて、対応する冷蔵庫や小型家電などにも電力を供給したい場合、容量と出力の両面から検討できます。ただし、接続する機器の消費電力や起動時の電力が、製品の出力条件を満たしていることが前提です。
本体は約28.7kgあるため、頻繁に持ち運ぶ用途よりも、自宅の安全な場所に設置して使用する方法に向いています。設置場所を決める際は、本体の重量だけでなく、周囲の通気や使用・保管条件も確認しましょう。
200Wソーラーパネルを組み合わせると、日中に太陽光から充電できます。ただし、本体のソーラー入力上限は最大1,600Wであり、200Wパネル1枚を接続した場合はパネル側の出力が充電量を制限します。大容量のバッテリーを短時間で満充電できるとは限らず、実際の充電量は日射条件によっても変わります。
また、製品ページにはAC定格出力3,600Wと記載されていますが、日本国内の100V環境では、国内向け仕様における出力上限を確認することが重要です。接続する家電の電圧・消費電力と合わせて、使用前に取扱説明書を確認してください。
大容量の電源を用意し、複数の機器への給電を検討したい家庭に向いた選択肢ですが、重量や設置スペースも含めて判断しましょう。
● 容量と携帯性のバランスなら「F1000LFP+200Wソーラーパネル」

主な仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| バッテリー容量 | 960Wh |
| AC定格出力 | 1,500W |
| ソーラー入力上限 | 最大600W |
| ソーラー入力電圧 | 12~60V DC |
| 最大ソーラー入力電流 | 14A |
| 本体重量 | 約10.85kg |
PECRON F1000LFP+200Wソーラーパネル|公式製品ページ
F1000LFPは、容量960Wh、AC定格出力1,500Wのポータブル電源です。大容量モデルほどの重量を避けながら、スマートフォンや照明などに加え、対応する小型家電にも電力を供給したい場合に検討できます。
本体重量は約10.85kgです。家庭内の非常用電源として使用するほか、必要に応じて車へ積んで持ち運ぶなど、用途に合わせた使い方も考えられます。
200Wソーラーパネルとの組み合わせでは、停電中も日射条件が整っていれば、バッテリーを充電するための手段を確保できます。本体のソーラー入力上限は最大600Wですが、200Wパネル1枚の場合、定格条件でのパネル出力は最大200Wです。
また、パネルの出力が200Wであっても、常に200Wで充電できるわけではありません。天候や設置角度、影などによって発電量は変わるため、必要な電力をどれくらい補えるかは使用環境によって異なります。
容量と持ち運びやすさを両立しながら、通信機器や照明、対応する家電の予備電源を確保したい方に向いた組み合わせです。
● 小型家電を中心に使うなら「E500LFP+100Wソーラーパネル」

主な仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| バッテリー容量 | 576Wh |
| AC定格出力 | 600W |
| 瞬間最大出力 | 1,200W |
| ソーラー入力上限 | 最大100W |
| ソーラー入力条件 | 動作電圧12V超、開放電圧28V未満 |
| 最大ソーラー入力電流 | 7A |
| 本体重量 | 約6.75kg |
PECRON E500LFP+100Wソーラーパネル|公式セットページ
E500LFPは、容量576Wh、AC定格出力600Wのポータブル電源です。スマートフォンや照明、ノートパソコンなど、比較的消費電力の小さい機器を中心に使用したい場合に検討できます。
USB-C出力は最大100Wに対応しており、対応するノートパソコンなどへの給電にも活用できます。また、本体重量は約6.75kgのため、大容量モデルと比べて持ち運びやすい点も特徴です。
ただし、AC定格出力は600Wです。冷蔵庫などを接続する場合は、定格消費電力だけでなく、起動時に必要な電力も確認する必要があります。消費電力が出力上限を超える家電や、起動時に必要な電力が大きい機器には対応できない場合があります。
100Wソーラーパネルとの組み合わせは、日中に電力を補う手段として活用できます。ただし、本体のソーラー入力上限は最大100Wのため、パネルの仕様が入力電圧・電流の条件に適合していることを確認しましょう。
通信機器や照明などを中心に、比較的コンパクトな非常用電源を用意したい方に向いた組み合わせです。
● 軽量・コンパクトさを重視するなら「E300LFP+100Wソーラーパネル」

主な仕様
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| バッテリー容量 | 288Wh |
| AC定格出力 | 600W |
| ソーラー入力上限 | 最大100W |
| ソーラー入力電圧 | 開放電圧12~28V |
| 最大ソーラー入力電流 | 7A |
| 本体重量 | 約4.8kg |
PECRON E300LFP+100Wソーラーパネル|公式セットページ
E300LFPは、容量288Whのコンパクトなポータブル電源です。本体重量は約4.8kgで、今回紹介する4モデルの中では最も軽く、保管場所をできるだけ抑えたい方や、必要なときに持ち運んで使いたい方に適しています。
停電時には、スマートフォンの充電やLED照明など、必要な機器への給電を中心に活用できます。ただし、容量は288Whのため、消費電力の大きい家電を長時間使用する用途には向かない場合があります。
AC定格出力は600Wですが、定格出力の大きさと使用できる時間は別の要素です。接続する機器の消費電力と必要な使用時間を確認し、限られた電力をどのように使うかを考えておきましょう。
100Wソーラーパネルを組み合わせることで、日中に太陽光から充電することもできます。ただし、本体のソーラー入力上限は最大100Wです。充電量は天候やパネルの設置条件によって変わるため、停電中の電力を必ず継続して補えるとは限りません。
軽量性と収納のしやすさを優先し、スマートフォンや照明などの基本的な電源を確保したい方に向いた組み合わせです。
● 4つの組み合わせを比較
4つのポータブル電源・ソーラーパネルセットの主な特徴をまとめると、次のとおりです。
| 組み合わせ | 容量 | AC定格出力 | ソーラー入力上限 | 本体重量 | 主な検討用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| F3000LFP+200W | 3,072Wh | 国内100V時の上限を要確認 | 最大1,600W | 約28.7kg | 大容量・複数機器への給電 |
| F1000LFP+200W | 960Wh | 1,500W | 最大600W | 約10.85kg | 容量と携帯性のバランス |
| E500LFP+100W | 576Wh | 600W | 最大100W | 約6.75kg | 通信機器・照明・小型家電 |
| E300LFP+100W | 288Wh | 600W | 最大100W | 約4.8kg | 軽量性・基本的な電源確保 |
※重量はポータブル電源本体の重量です。ソーラーパネルやケーブルなどを含めたセット全体の重量ではありません。また、ソーラー入力上限は本体が対応する最大値であり、セットのパネル出力とは異なります。
停電対策用の電源を選ぶ際は、容量が大きい製品を選べばよいとは限りません。必要な機器の消費電力や起動時の電力、使用時間、収納スペース、持ち運びやすさを確認し、家庭の状況に合った製品を選ぶことが重要です。
また、ポータブル電源とソーラーパネルは、停電時の電源確保を補助する手段です。家庭全体の電力を自動的に供給する設備とは異なるため、事前に使用したい機器を決め、接続方法や使用条件を確認しておきましょう。
7. 在宅避難と防災備蓄に関するよくある質問
在宅避難の備蓄は何日分必要ですか?
在宅避難に備える食料や飲料水は、最低3日分、できれば1週間分を目安に準備しましょう。
大規模な災害では、電気・ガス・水道などのライフラインが復旧するまで時間がかかるほか、支援物資や店舗への商品の供給が滞る可能性があります。
ただし、必要な備蓄量は住んでいる地域や家族構成によっても異なります。地震や水害などの災害リスク、乳幼児・高齢者の有無、常用薬の必要性などを考慮し、家庭に合った備蓄計画を立てることが大切です。
農林水産省も、家庭で最低3日分から1週間分の食品を備蓄することを推奨しています。普段使う食品を少し多めに購入し、古いものから消費して買い足す「ローリングストック」を活用すると、無理なく備蓄を続けられます。
水は1人あたり何リットル必要ですか?
飲料水と調理用の水は、1人あたり1日約3リットルが備蓄量の目安です。ただし、手洗いや入浴、トイレの洗浄などに使用する生活用水は別途考える必要があります。
家族の人数と備蓄日数に応じて、必要な量を計算しておきましょう。
| 家族の人数 | 3日分 | 7日分 |
|---|---|---|
| 1人 | 9L | 21L |
| 2人 | 18L | 42L |
| 4人 | 36L | 84L |
水の保管場所を確保できない場合は、一度に大量に用意するのではなく、買い物のたびに少しずつ買い足す方法もあります。賞味期限や保管方法を定期的に確認し、必要なときにすぐ使える状態を保ちましょう。
災害用トイレは何回分用意すればよいですか?
災害用トイレは、1人あたり1日5回分を目安に、最低3日分、できれば1週間分を備蓄しましょう。
東京都が示す最低限の備蓄目安は、次の計算式で求められます。
1日5回 × 備蓄日数 × 家族の人数 = 必要な備蓄回数
例えば、4人家族の場合、3日分なら60回分、7日分なら140回分が目安になります。
断水時には水洗トイレが使えなくなることがあり、集合住宅では排水管の損傷によってトイレの使用が問題になる場合もあります。災害発生後は建物や排水設備の安全を確認し、必要に応じて便器に設置する携帯トイレを使用しましょう。
あわせて、トイレットペーパー、手指の清潔を保つ用品、使用済みの袋を処理するためのゴミ袋なども用意しておくと安心です。
停電に備えてポータブル電源は必要ですか?
ポータブル電源は、すべての家庭に必須というわけではありません。停電時に必要な電気機器と使用時間を整理し、家庭の状況に合った備えを選ぶことが大切です。
それぞれの電源には、次のような特徴があります。
| 電源の種類 | 主な用途 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| モバイルバッテリー | スマートフォンなどの充電 | 容量、充電回数、対応端子 |
| 電池式照明 | 夜間の照明 | 電池の備蓄、連続点灯時間 |
| ポータブル電源 | スマートフォン、照明、小型家電などへの給電 | 容量、定格出力、接続端子、充電方法 |
スマートフォンの充電と照明の確保が主な目的なら、モバイルバッテリーや電池式照明で対応できる場合があります。一方、ACコンセントを使用する機器を動かしたい場合や、複数の機器に給電したい場合は、ポータブル電源が選択肢になります。
選ぶ際は容量だけでなく、使用したい機器の消費電力と、ポータブル電源の定格出力・瞬間最大出力が適合するかを確認しましょう。また、停電時にも充電できるよう、ソーラーパネルなどの充電手段を検討しておくことも有効です。
ポータブル電源で冷蔵庫は何時間使えますか?
冷蔵庫を使用できる時間は、ポータブル電源の実際に使える電力量、冷蔵庫の平均消費電力、変換によるロスなどによって変わります。そのため、バッテリー容量だけで使用時間を断定することはできません。
目安を計算する場合は、次の式を使います。
使用時間(時間)≒ 実際に使える電力量(Wh)÷ 平均消費電力(W)
例えば、実際に使える電力量が800Whで、冷蔵庫の平均消費電力が40Wなら、計算上は約20時間です。ただし、これは計算上の目安であり、実際の使用時間を保証するものではありません。AC出力への変換ロスや冷蔵庫の運転状況によって、使える時間は短くなることがあります。
また、冷蔵庫はコンプレッサーの起動時に、通常運転時より大きな電力を必要とする場合があります。平均消費電力だけで判断せず、起動時の電力とポータブル電源の出力仕様も確認してください。
停電時に冷蔵庫を使用する予定がある場合は、事前に取扱説明書や製品仕様を確認し、食品を傷ませないための保冷対策もあわせて準備しておきましょう。
ソーラーパネルがあれば長期間の停電でも安心ですか?
ソーラーパネルは、停電が長引いた際に電力を補充できる手段ですが、設置しておけば電気を無制限に使えるわけではありません。
発電量は、日射量、天候、季節、設置角度、周囲の建物や樹木による影などによって変動します。夜間や日照の少ない日には、十分な電力を確保できないこともあります。
また、発電した電力をポータブル電源に蓄えて使う場合は、ソーラーパネルの発電量だけでなく、バッテリー容量と日々の消費電力量のバランスも重要です。使用量が発電量を上回る状態が続けば、バッテリー残量は減っていきます。
長期間の停電に備えるには、次の点を確認しておきましょう。
-
ソーラーパネルの出力と、ポータブル電源が対応する入力電圧・入力電力
-
日照条件を踏まえた充電時間と、実際の設置場所
-
停電時に優先して使用する機器と、1日あたりの電力消費量
-
発電できない時間帯や悪天候が続く場合に備えた節電方法
ソーラーパネルとポータブル電源を組み合わせることで、停電中も充電できる可能性が広がります。ただし、実際の発電量や使用できる時間には限りがあるため、照明や通信機器など必要性の高い機器から優先して電力を使う計画を立てておくことが大切です。
8. まとめ
在宅避難に備えるには、まず自宅や周辺地域の災害リスクを確認し、災害発生後も自宅で安全に過ごせるかを考えておくことが大切です。地震による建物の損傷だけでなく、火災や浸水、土砂災害などの危険性も事前に確認しておきましょう。
備蓄の基本は、食料と飲料水を最低3日分、できれば1週間分用意することです。あわせて、災害用トイレや衛生用品、常用薬、懐中電灯なども準備し、家族構成や健康状態に応じて必要なものを見直しましょう。
また、停電が長引くと、スマートフォンの充電や照明の確保だけでなく、季節によっては暑さや寒さへの対策も重要になります。まずは停電時に使いたい機器を整理し、必要な電力と使用時間に合わせて、モバイルバッテリーやポータブル電源などを選ぶことがポイントです。
ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせる場合も、バッテリー容量や定格出力、ソーラーパネルの発電能力、対応する入力電圧などを確認し、実際の使用条件に合ったものを選びましょう。天候によって発電量は変わるため、電力を優先順位の高い機器から使う計画も欠かせません。
日頃から備蓄品の消費期限や電源機器の状態を定期的に確認し、家族で備蓄場所や災害時の役割を共有しておくことも重要です。
いざというときに落ち着いて行動できるよう、普段の生活の中で少しずつ備えを整え、無理なく継続できる防災対策を進めていきましょう。
















































