- Sep 17
- 作成者 PECRONJAPAN

夏に犬や猫を留守番させるとき、飼い主がまず考えたいのが室内の温度・湿度管理です。
環境省も、夏場の「高温の室内での留守番」はペットが熱中症になる可能性がある危険な状況の一つとして注意を呼びかけています。犬や猫は被毛に覆われているうえ、人間より体高が低く、床付近の熱の影響も受けやすいため、外出中も室内環境を適切に保つことが重要です。
特に気をつけたいのが、外出している間に室温が上昇してしまうケースです。
「窓を閉めておけば大丈夫」「朝はそれほど暑くないから問題ない」と考えていても、日中に気温が上がったり、日差しが入り込んだりすると、室内環境は大きく変化します。また、犬・猫によって暑さへの強さにも違いがあり、年齢や体格、被毛の状態などによって必要な温度管理も変わります。
そのため、夏の留守番では単純に「何℃に設定すればよい」と考えるだけでなく、室温・湿度を確認しながら、ペットが暑さを避けられる環境を用意することが大切です。
環境省の資料でも、犬や猫を室内で飼育する場合は、温度・湿度を適切に管理するとともに、ペット自身が快適な場所へ移動できるような環境を整えることが推奨されています。
では、実際に犬や猫にとって夏の室内はどの程度の環境が望ましいのでしょうか。次に、温度・湿度の目安と、犬種・猫種や年齢によって注意したいポイントを見ていきます。
犬・猫にとって夏の室内環境はなぜ重要?

夏の室内は、外に比べて日差しや風の影響が少ない一方、気温や湿度が高くなると犬や猫にとって大きな負担になることがあります。
東京都保健医療局は、犬や猫は人間と比べて体温調節が苦手で、体の位置が地面に近いため、地面からの熱の影響も受けやすいと説明しています。特に高温多湿で風通しの悪い環境では、短時間でも熱中症になるおそれがあります。
また、環境省の飼養管理に関する資料では、犬猫を屋内で飼育する場合、一般的な目安として室温20〜23℃前後、湿度50%前後が示されています。ただし、これはすべての犬・猫に一律に当てはまる設定温度ではありません。犬種・猫種、年齢、体格、被毛の状態、健康状態などによって、暑さへの適応には違いがあります。
そのため、夏の留守番では「何℃なら絶対に安全」と考えるのではなく、室温と湿度を確認しながら、その子に合った環境を維持することが重要です。
温度だけでなく「湿度」も確認する
暑さ対策というと室温ばかりに目が向きがちですが、湿度も無視できません。
環境省の資料でも、温度と湿度がともに高い環境では熱中症になりやすいため、夏場は室温だけでなく湿度にも配慮した管理が必要とされています。
特に梅雨から真夏にかけては、気温がそれほど高くなくても湿度が上昇する日があります。エアコンや除湿機能を利用しながら、温湿度計で実際の室内環境を確認しておくと安心です。
また、東京都も屋内でペットを飼育する場合は、エアコンなどを利用して温度・湿度を適切に管理するとともに、ペットが自分で快適な場所へ移動できる環境を整えるよう案内しています。
犬と猫では「快適な場所の選び方」も違う
犬と猫では、暑いときの過ごし方にも違いがあります。
東京都動物愛護相談センターによると、猫は室内の高低差などを利用しながら、自分で快適な温度の場所を探すことができます。一方、犬は基本的に床面で生活するため、犬が過ごす場所そのものが暑くなりすぎないよう配慮することが重要です。
そのため、エアコンの設定だけでなく、
- 直射日光が入り続ける場所を避ける
- 水をいつでも飲めるようにする
- 涼しい場所へ移動できるようにする
- 室温・湿度を確認できるようにする
といった環境づくりも大切です。
特に注意したい犬・猫
暑さへの耐性には個体差があります。
環境省の資料では、短頭種やダブルコートの犬、肥満傾向のある個体などは暑さに弱い場合があり、夏場はより涼しく保つ必要があるとされています。また、子犬・子猫や高齢の犬・猫なども、体温調節の面でより細かな管理が必要です。
留守番させる際には「うちの犬・猫は去年の夏も大丈夫だった」と考えるのではなく、その日の気温・湿度やペットの体調まで含めて判断することが大切です。
環境省も、高温の室内での留守番をペットの熱中症につながる危険な状況の一つとして挙げています。暑さが厳しい日は、天気予報や暑さ指数なども確認しながら、室内環境を整えておきましょう。
では、実際に外出するときはエアコンをどう使えばよいのでしょうか。
「留守中もつけっぱなしにしたほうがいいのか」「タイマーで十分なのか」と迷う方も多いでしょう。
留守中のエアコンはつけっぱなし?知っておきたい考え方

夏に犬や猫を留守番させる場合、「外出中もエアコンをつけておくべき?」と迷う方は少なくありません。
結論として、真夏や気温が高くなる日にペットを室内で留守番させる場合は、室温が上がりすぎないよう、エアコンなどを使って継続的に温度管理することが重要です。
環境省も、犬や猫の熱中症対策として、適切な温度・湿度管理を行うことや、高温の室内での留守番を避けることを呼びかけています。特に外出中は飼い主が室温の変化に気づいて対応することができないため、出かける前に室内環境を整えておくことが大切です。
「タイマー運転」だけでは判断しにくい理由
「出かけるときはエアコンを切り、昼ごろだけ再び動くようにタイマーを設定する」という方法を考える方もいるでしょう。
しかし、夏の室温は外気温だけでなく、日当たり、窓の大きさ、住宅の断熱性能、階数、部屋の広さなどによって変化します。
例えば朝はそれほど暑くなくても、日中になって日差しが強くなれば、室温が上昇することがあります。あらかじめ設定した時間にエアコンが入る方法では、その日の天候や室温の変化に対応できない場合があります。
環境省も、ペットを室内で飼育する場合は温度・湿度を管理し、ペット自身が快適な場所へ移動できる環境を整えることが重要だとしています。
そのため、夏の留守番では「何時間だけ冷房を使うか」ではなく、外出している間もペットが過ごす空間を適切な状態に保てるかという視点で考えることが大切です。
「つけっぱなし=必ず電気代が安い」わけではない
一方で、ここで注意したいのが「エアコンはつけっぱなしの方が絶対に節電になる」という考え方です。
実際には、外出する時間の長さや時間帯、外気温、日射、住宅の断熱性能、エアコンの性能などによって消費電力量は変わります。
ダイキンの検証では、真夏の日中に30分程度外出する条件では、エアコンを停止するよりもつけっぱなしの方が消費電力量を抑えられる結果となりました。一方で、より長い外出を想定した別の検証では、つけっぱなしの方が消費電力量が大きくなっています。つまり、「つけっぱなしが常にお得」というわけではなく、条件によって結果が変わるということです。
東京電力エナジーパートナーも、エアコンのつけっぱなしが得になるかどうかはケースバイケースであり、建物の断熱性能などによっても異なると説明しています。
ペットがいる家庭では、ここを「電気代だけ」の問題として考えないことがポイントです。
短時間の外出ならつけっぱなしが有利になる場合がある一方、長時間の外出では消費電力が増える可能性があります。それでも真夏にペットを一人で留守番させるのであれば、電気代を抑えることと、室温を安全に保つことのバランスを考える必要があります。
出かける前に確認したいポイント
留守番中の室温管理を安定させるためには、エアコンの設定だけでなく、部屋そのものの環境も確認しておきましょう。
特に確認したいのは次のようなポイントです。
| 確認したいこと | 留守番前のポイント |
|---|---|
| 室温・湿度 | 温湿度計で実際の数値を確認する |
| 日差し | 直射日光が入り続ける場所を避ける |
| エアコン | フィルターや室外機周辺を確認し、正常に動作する状態にする |
| 水 | いつでも新鮮な水を飲めるようにする |
| 過ごす場所 | ペットが自分で涼しい場所へ移動できるようにする |
| エアコンの風 | 冷風がペットに直接当たり続けないようにする |
環境省は、犬や猫の飼養環境について温度・湿度を管理し、個体の状態を観察しながら調整することを重要としています。また、エアコンの風を直接当てないことや、いつでも新鮮な水を飲めるようにすることも、環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」で示されています。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが**「エアコンそのものが止まる可能性」**です。
どれだけ適切に温度設定をしていても、停電が起きればエアコンは使えなくなる可能性があります。特に落雷や台風、局地的な大雨などが起こりやすい夏は、室温管理とあわせて「電源が失われた場合にどうするか」まで考えておくと、より現実的な留守番対策になります。
エアコンの電気代を抑えるためにできること

夏のペットの留守番では、室温を適切に保つことが最優先です。そのうえで、毎日のエアコン使用による電気代をできるだけ抑えるには、設定温度だけでなく、部屋に入る熱やエアコンの運転効率を見直すことがポイントになります。
資源エネルギー庁では、夏の家庭向け省エネ対策として、エアコンのフィルター清掃、窓からの日差しを抑えること、室外機周辺の風通しを確保することなどを紹介しています。
フィルターを定期的に掃除する
エアコンのフィルターにホコリがたまると、空気の流れが悪くなり、冷房効率の低下につながります。
資源エネルギー庁の省エネポータルでは、フィルターを月1〜2回清掃することによって、一定の条件下で年間の消費電力量や電気代を削減できるとしています。
特に夏場はエアコンを長時間運転する家庭が多いため、フィルターの汚れを定期的に確認しておくとよいでしょう。
ペットを飼っている家庭では、抜け毛やホコリがたまりやすい場合もあります。犬や猫がいる家庭ほど、通常よりこまめに状態を確認することが大切です。
日差しを遮って室温の上昇を抑える
冷房効率を高めるには、エアコンだけで室温を下げようとするのではなく、そもそも室内に入ってくる熱を減らすことも重要です。
資源エネルギー庁は、夏の省エネ対策として、レースカーテンやすだれなどを使って窓からの日射を抑える方法を紹介しています。また、外出時には昼間でもカーテンを閉めることが室温上昇の抑制につながるとしています。
特に日当たりのよい部屋でペットを留守番させる場合は、窓から入る直射日光を減らすだけでも、室温管理の負担を抑えやすくなります。
ただし、部屋を完全に暗くする必要はありません。ペットが普段どのように過ごしているかを考えながら、日差しを遮りつつ落ち着いて過ごせる環境を整えましょう。
室外機の周りをふさがない
見落としやすいのが、屋外に設置されている室外機です。
室外機の吹出口や吸込口の周辺に物を置くと、冷房運転の効率が低下する可能性があります。資源エネルギー庁も、室外機の周囲に物を置かず、風通しを確保することを省エネのポイントとして紹介しています。
鉢植えや収納用品、洗濯用品などを室外機の近くに置いている場合は、一度周辺を確認してみましょう。
また、室外機そのものに強い直射日光が当たっている場合でも、無理に覆うのではなく、まずはメーカーの取扱説明書や設置条件を確認することが大切です。
設定温度だけを下げすぎない
「早く冷やしたいから、設定温度をかなり低くする」という方法は、必ずしも効率的とは限りません。
資源エネルギー庁の省エネポータルでも、冷やしすぎを避け、無理のない範囲で室内温度を調整することが推奨されています。一定の条件では、冷房設定温度を1℃調整することで省エネにつながるとされています。
ただし、ペットが留守番している家庭では、単純に「設定温度を上げれば上げるほど節電になる」と考えるべきではありません。
犬や猫は人間とは暑さの感じ方が異なり、年齢、体格、被毛、健康状態などによっても適切な環境は変わります。
そのため、電気代を優先して室温を上げすぎるのではなく、ペットが過ごす空間を適切に保ったうえで、無駄な消費電力を減らすという考え方が基本です。
エアコンの効率だけでなく「家そのもの」の暑さ対策も
冷房に使う電力を抑えるには、エアコンの設定や掃除だけでなく、住宅に入ってくる熱を減らすことも重要です。
資源エネルギー庁は、住宅の省エネにおいて「断熱」「日射遮蔽」「気密」を重要な要素として挙げています。特に夏は、窓などから入ってくる日射熱によって室温が上昇するため、日射を遮ることが冷房負荷の低減につながります。
ペットの留守番では、エアコンを強くすることだけを考えるのではなく、
「室内に熱を入れにくくする」
→「エアコンが効率よく冷やせる状態にする」
→「必要以上に設定温度を下げない」
という順番で考えると、電気代と室温管理を両立しやすくなります。
電気代だけでなく「停電した場合」も考えておく
ここまで紹介した対策を行っても、夏の留守番にはもう一つ考えておきたい問題があります。
それが、突然の停電です。
どれだけ高性能なエアコンを使い、適切な温度に設定していても、電力供給そのものが止まれば、冷房を継続できなくなる可能性があります。
特に飼い主が外出している間は、停電に気づいてすぐ対応することができません。
そのため、夏のペットの暑さ対策では、「普段の電気代をどう抑えるか」だけでなく、万が一電源が失われたときに、どうやってペットのいる室内環境を守るかまで考えておくことが大切です。
夏の留守番で注意したい突然の停電

夏のペットの留守番で、室温管理とあわせて考えておきたいのが「停電」です。
エアコンを適切に使い、窓からの日差しを遮り、水を用意して出かけたとしても、外出中に停電が発生すれば、冷房や扇風機などの電気を使う機器が停止する可能性があります。
特に犬や猫が一人で留守番しているときは、飼い主がその場ですぐに対応できません。そのため、夏場は「普段の暑さ対策」だけでなく、電気が使えなくなった場合の備えまで考えておくことが重要です。
夏は雷や大雨による停電にも注意
夏の日本では、発達した積乱雲による雷や大雨が発生します。
気象庁によると、2021~2025年の雷監視システムのデータでは、全国の雷検知数は夏(6~8月)に活発になり、冬(12~2月)と比べて日平均の放電数が約20倍となっています。また、夏の雷は午後から夕方にかけて発生しやすく、広い範囲で発生する特徴があります。
雷は単に音や光が発生するだけではありません。電力設備に落雷した場合、電線や変圧器などが損傷して停電につながることがあります。
東京電力パワーグリッドも、停電の原因として「雷の影響」「風雨・台風の影響」などを挙げています。雷によって電力設備が損傷したり、台風の強風や大雨による飛来物・土砂災害などで電線や電柱が損傷したりすることで、停電が発生する場合があります。
つまり、晴れている朝に外出したからといって、帰宅するまで電力が安定しているとは限りません。
「短時間の停電なら大丈夫」とも限らない
停電するとすぐに室温が危険な状態になる、というわけではありません。
室温がどの程度変化するかは、外気温、日射、住宅の断熱性能、部屋の広さ、窓の大きさなどによって大きく異なります。
そのため、「停電したら1時間で必ず危険な温度になる」といった一律の判断はできません。
一方で、環境省は犬や猫について、高温の室内での留守番が熱中症につながる危険な状況の一つだと注意しています。特に真夏の暑い日に冷房が止まれば、室温が徐々に上昇する可能性があるため、停電が長引くほどペットへの暑さの負担が大きくなることを想定しておく必要があります。
さらに、停電が発生する時間帯によっても状況は変わります。
例えば、日中に強い日差しが入る部屋では、冷房が停止した後に室温が上がりやすくなることがあります。反対に、夜間や日差しの少ない時間帯であれば、室温の変化が比較的小さい場合もあります。
だからこそ、停電対策は「何分までなら大丈夫」と時間だけで判断するのではなく、停電したときにペットが過ごす環境がどう変化するかを考えて準備することが大切です。
夏の天候を見ながら、留守番環境を確認する
特に猛暑日や熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートが発表されるような日は、普段以上に注意が必要です。
環境省は、熱中症特別警戒アラートが発表された地域では、過去に例のない危険な暑さなどにより、重大な健康被害が生じるおそれがあるとして、暑さから身を守る行動を呼びかけています。屋内でもエアコンなどを適切に使用し、涼しい環境で過ごすことが重要とされています。
ペットを留守番させる日も、外出前に天気や気温だけでなく、雷・大雨の可能性や熱中症関連の情報を確認しておくとよいでしょう。
また、気象庁では雷ナウキャストなどを使って現在の雷の状況を確認できます。天候が急変しやすい季節には、こうした情報を活用することも停電リスクを考えるうえで役立ちます。
「停電しないこと」ではなく「停電したらどうするか」を考える
電力会社も自然災害などによる停電を防ぐため、さまざまな設備対策を行っています。しかし、雷、台風、大雨、地震などによって停電が発生する可能性を完全になくすことはできません。
そのため、ペットの留守番対策では、
「停電を予測する」
→「停電しないことを前提にする」
のではなく、
「もし停電したら、ペットのいる部屋で何が止まるのか」
「どれくらいの時間、電源が必要なのか」
「その間にどう対応するのか」
まで事前に整理しておくことが重要です。
では、実際に停電が発生すると、ペットのいる家庭ではどのようなことに影響が出るのでしょうか。
停電すると、ペットのいる家庭では何が困る?

夏の留守番中に停電が発生すると、最も大きな問題の一つがエアコンを使えなくなることです。
ただし、ペットのいる家庭で影響を受けるのは冷房だけではありません。普段は当たり前に使っているペットカメラ、Wi-Fiルーター、自動給餌器、給水器、空気清浄機などの電気製品も、停電によって停止する可能性があります。
東京電力も、停電時にはエアコンや扇風機が使用できなくなるため、夏季は熱中症などに注意するよう案内しています。また、停電から復旧した後も、Wi-Fiルーターなどの機器を再起動したり、タイマーや時計を再設定したりする必要が生じる場合があります。
では、具体的にどのような影響が考えられるのでしょうか。
エアコンが止まり、室温を維持できなくなる
まず考えたいのが、冷房機器の停止です。
夏場にエアコンが止まると、外気温や日射、住宅の断熱性能などに応じて室温が上昇する可能性があります。特に日中の留守番では、直射日光が入る部屋ほど室温の変化にも注意が必要です。
もちろん、停電したからといってすぐに室内が危険な温度になるとは限りません。しかし、環境省が高温の室内での留守番を犬や猫の熱中症につながる危険な状況の一つとして挙げていることを考えると、夏場に長時間ペットだけで留守番させる場合は、冷房が止まった場合も想定しておくことが重要です。
扇風機やサーキュレーターなどを併用している場合も、基本的には電源が必要です。停電時にはこれらも同時に使えなくなる可能性があります。
ペットカメラやWi-Fiが使えなくなる
もう一つ見落としやすいのが、「遠隔でペットの様子を確認できなくなる」ことです。
ペットカメラを設置していても、本体だけでなくWi-Fiルーターなどの通信機器にも電力が必要です。そのため、停電するとカメラが動作しなくなったり、インターネット接続が切れたりして、外出先から室内の状況を確認できなくなる可能性があります。
つまり、普段ならスマートフォンから、
「室温は大丈夫そうか」
「ペットはいつも通り寝ているか」
「水やフードに問題はないか」
と確認できていても、停電中はその確認自体ができなくなる場合があります。
東京電力も、停電後にはWi-Fiルーターがインターネットに接続できるか確認し、必要に応じて再起動するよう案内しています。
自動給餌器や給水器なども停止する可能性がある
普段から自動給餌器や電動式の給水器を使っている家庭では、これらの機器についても停電時の動作を確認しておく必要があります。
特に、決まった時間にフードを与えることを前提としている場合、停電によって給餌機能が停止すると、予定通りに給餌できない可能性があります。
電池を搭載した製品や内部バッテリーを備えた製品であれば、停電時も一定時間動作できる場合がありますが、製品によってバックアップ時間や動作条件は異なります。
そのため、「自動だから停電しても大丈夫」と考えるのではなく、停電時にその機器がどのように動作するのかを取扱説明書で確認しておくことが重要です。
空気清浄機や照明など、普段使っている機器も止まる
ペットのいる家庭では、空気清浄機、換気設備、照明、サーキュレーターなど、複数の電気製品を同時に使用していることもあります。
停電するとこれらも基本的に使用できなくなります。
特に、部屋の換気や空調環境を複数の機器で整えている場合は、「停電したら何が使えなくなるのか」を一度整理しておくと安心です。
ただし、停電時にすべての家電を動かそうとする必要はありません。
重要なのは、ペットの安全に直結する機器から優先順位を決めることです。
例えば夏の留守番であれば、
| 優先して確認したいもの | 停電時に考えられる影響 |
|---|---|
| エアコン | 冷房が停止し、室温管理ができなくなる |
| 扇風機・サーキュレーター | 空気の循環ができなくなる |
| ペットカメラ | 電源や通信が失われ、遠隔確認できなくなる場合がある |
| Wi-Fiルーター | インターネット接続が停止する可能性がある |
| 自動給餌器 | 給電が必要な機種では給餌できなくなる可能性がある |
| 電動給水器 | 給電が必要な機種では動作しなくなる可能性がある |
| 照明 | 留守中や帰宅時の明かりを確保できなくなる |
というように、家庭で使用している機器を一つずつ確認してみましょう。
「ペットを守るために必要な電力」を把握しておく
停電対策を考えるときに重要なのは、単に「非常用電源を用意する」ことではありません。
まず、自宅のペットにとって、停電時に絶対に維持したい機器は何なのかを把握することが大切です。
例えば、
「エアコンを優先したい」
「エアコンに加えてペットカメラも動かしたい」
「Wi-Fiも維持して外出先から確認したい」
「自動給餌器もバックアップしたい」
など、必要な機器によって必要な電力や使用時間は変わります。
また、停電時には電気が復旧した後も、すべての家電が自動的に元の状態へ戻るとは限りません。製品によっては電源の入れ直しや設定の確認が必要になるため、「停電中」だけでなく「復旧後」に何を確認するかもあらかじめ整理しておくとよいでしょう。
ペットの留守番では「電気がなくなった場合」まで想定する
夏場の留守番対策は、エアコンをつけて出かけるだけで終わりではありません。
普段どのような電気製品を使っているのか、停電したら何が止まるのか、そしてどの機器をどれくらい維持する必要があるのかを事前に確認しておくことが、より具体的な停電対策につながります。
停電に備えて事前に確認しておきたいこと

夏の留守番中に突然停電が起きても、すぐに帰宅して対応できるとは限りません。
だからこそ、ペットの暑さ対策では「停電が起きてから何をするか」だけでなく、停電する前に、どこまで準備しておけるかが重要になります。
環境省も、ペットとの災害対策では、十分な水や食料、常備薬などを日頃から準備し、避難場所や避難ルートを確認しておくことを案内しています。停電そのものへの備えでも、普段から「何が止まるのか」「どう対応するのか」を整理しておくことが大切です。
まずは「停電したら何が止まるか」を確認する
最初にやっておきたいのが、自宅で使っている電気製品の確認です。
ペットの留守番中に使用するものを一度書き出し、停電した場合にどの機器が停止するのかを確認してみましょう。
例えば、
| 電気製品 | 確認しておきたいこと |
|---|---|
| エアコン | 停電時に停止するか、復電後に自動運転するか |
| 扇風機・サーキュレーター | 内蔵バッテリーがあるか |
| ペットカメラ | 本体だけでなくWi-Fiも必要か |
| Wi-Fiルーター | 停電時に通信が止まるか |
| 自動給餌器 | 停電時にバッテリーへ切り替わるか |
| 電動給水器 | バッテリーや乾電池で動作できるか |
| 空気清浄機 | 停電時に停止するか |
| 照明 | 懐中電灯やランタンなどの代替手段があるか |
この確認をしておくと、「停電したら何ができなくなるのか」が具体的に分かります。
特にペットカメラについては、カメラ本体が動作していても、Wi-Fiルーターや通信環境が停止すれば外出先から映像を確認できない場合があります。
エアコンの「復電後の動作」も確認しておく
停電対策では、停電中だけでなく電気が復旧した後の動作も確認しておきましょう。
家電によっては、停電前の運転状態をそのまま再開するものもあれば、電源が切れた状態になるものもあります。
そのため、エアコンについては、
- 停電した場合にどう動作するか
- 復電すると自動的に運転を再開するか
- リモコンの設定が保持されるか
- メーカーが推奨する停電時・復電時の対応は何か
などを取扱説明書で確認しておくと安心です。
「停電したら自動で再開するはず」と思い込まず、実際の製品仕様を確認しておくことが大切です。
ペットカメラは「カメラ+通信環境」で考える
外出中のペットを見守るために、ペットカメラを利用している家庭も増えています。
しかし、停電対策として考える場合は、カメラ本体だけを確認しても十分ではありません。
一般的なWi-Fi接続型のカメラでは、カメラ本体に加えてWi-Fiルーターなどにも電力が必要になります。
そのため、
カメラが動くか
↓
Wi-Fiルーターが動くか
↓
インターネット接続が維持されるか
というように、システム全体で確認することが重要です。
また、停電から復旧した際にWi-Fiルーターなどの通信機器を再起動する必要が出る場合もあります。東京電力も、停電後にインターネットが使えない場合は、通信機器の状態を確認し、必要に応じて再起動するよう案内しています。
「水・フード・薬」も電気とは別に準備する
停電への備えというと、電源の確保ばかりを考えてしまいがちです。
しかし、ペットの防災対策では、電気がなくても必要になるものを準備しておくことも重要です。
環境省は、ペットの災害対策として、水や食料、常備薬などをあらかじめ用意しておくことを案内しています。
普段使っているフードや薬がある場合は、急な停電や災害だけでなく、その後の物流の混乱なども考えて、余裕を持って準備しておくとよいでしょう。
また、避難が必要になった場合に備えて、キャリーケースやケージに慣らしておくこと、ペットと一緒に避難できる場所や地域のルールを事前に確認しておくことも大切です。
停電時に使える「電源」を決めておく
そして、夏の留守番で特に重要になるのが、停電時にどの機器へ電力を供給するかを事前に決めておくことです。
例えば、
「エアコンを最優先する」
「エアコンとWi-Fiルーターを維持する」
「ペットカメラも使える状態にしておきたい」
「短時間の停電だけでなく、長時間の停電にも備えたい」
など、家庭によって必要な電力は異なります。
ここで重要なのは、単に「大容量の電源があれば安心」と考えるのではなく、実際に使いたい機器の消費電力と必要な使用時間を確認することです。
例えば、スマートフォンの充電とエアコンでは必要な電力が大きく異なります。同じ「停電対策」でも、何を動かしたいかによって必要な電源の仕様は変わります。
普段から一度「停電」を想定してみる
実際に停電が起きてから慌てないためには、一度自宅でシミュレーションしてみるのも方法です。
まず、ペットが普段過ごしている部屋で、
① 停電したら何が止まるか
② その中で何を優先するか
③ 代わりに使えるものがあるか
④ 電源を確保するとしたら、何時間必要か
を確認します。
特に夏場は、エアコンを最優先する家庭も多いでしょう。
ただし、エアコンはスマートフォンのような小型機器とは異なり、必要な出力や消費電力量が大きくなる場合があります。そのため、「非常用電源なら何でもエアコンに使える」と考えるのではなく、電源側の定格出力と容量、接続する機器の仕様を確認することが重要です。
自宅に合った停電対策を考える
停電対策には、乾電池式の機器、モバイルバッテリー、蓄電池、ポータブル電源など、さまざまな方法があります。
大切なのは、家族構成やペットの数、住宅環境、普段使っている機器、停電時に維持したい時間などに合わせて選ぶことです。
特に夏のペットの留守番では、**「スマートフォンを充電できれば十分なのか」「エアコンなどの家電まで動かしたいのか」**によって必要な電源の種類が大きく変わります。
ポータブル電源はペットの停電対策に使える?

ここまで見てきたように、夏の留守番中に停電が起きると、エアコンやペットカメラ、Wi-Fiルーターなど、普段使っているさまざまな電気機器が使えなくなる可能性があります。
そこで選択肢の一つになるのが、ポータブル電源です。
ポータブル電源は、内部に蓄えた電気をAC出力やUSB、DC出力などから取り出して、さまざまな機器へ供給できる可搬型の蓄電装置です。経済産業省も、リチウムイオン蓄電池などを搭載し、交流を出力する製品を「ポータブル電源」として整理しています。災害時の家電利用やスマートフォンの充電などにも活用されています。
停電時の「予備電源」として活用できる
ポータブル電源の大きな特徴は、あらかじめ電気を蓄えておき、停電したときにその電力を利用できることです。
例えば、家庭のコンセントから普段どおりに給電できなくなった場合でも、ポータブル電源に十分な残量があれば、対応する電気機器へ電力を供給できます。
ペットの留守番で考えると、
- エアコンなどの冷房機器
- ペットカメラ
- Wi-Fiルーター
- 扇風機やサーキュレーター
- 照明
- スマートフォン
などが候補になります。
ただし、すべての機器をどのポータブル電源でも動かせるわけではありません。
特にエアコンのように消費電力が大きい機器については、ポータブル電源側の定格出力だけでなく、接続する機器の定格消費電力や運転時の特性まで確認する必要があります。
エアコンにも使える?
「ポータブル電源でエアコンを動かせるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
答えは、エアコンとポータブル電源の仕様が合っていれば、利用できる場合があります。
ただし、家庭用エアコンにはさまざまな種類があります。
例えば、一般的な100V仕様のエアコンと200V仕様のエアコンでは、必要となる電源条件が異なります。また、エアコンは運転開始時や負荷が大きくなったときの消費電力が変化するため、「普段の消費電力が○○Wだから、それ以上の出力なら必ず使える」と単純には判断できません。
そのため、エアコンを停電対策の対象にする場合は、
エアコン側の電圧・消費電力・プラグ形状などを確認する
↓
ポータブル電源のAC出力仕様を確認する
↓
両方の条件が合っていることを確認する
という順番で考えることが重要です。
「容量」と「出力」は別のもの
ポータブル電源を選ぶ際に混同しやすいのが、「Wh」と「W」です。
**Wh(ワットアワー)**は、どれだけの電力量を蓄えられるかを表す容量の単位です。
一方、**W(ワット)**は、どれだけ大きな電力を機器へ供給できるかを見るための指標です。
例えば、同じ1,000Whクラスのポータブル電源でも、ACの定格出力が異なる製品があります。
そのため、
「容量が大きいから、どんな家電でも使える」
とは限りません。
ペットの停電対策では、「何を動かしたいか」と「何時間使いたいか」の両方から考えることが大切です。
ペットカメラやWi-Fiなら、必要な電力は比較的小さい
一方で、スマートフォンの充電やペットカメラ、Wi-Fiルーターなどは、エアコンに比べると必要な電力が小さいケースが多くあります。
こうした機器については、大容量の電源を用意するだけでなく、実際の消費電力を確認して「何時間維持できるか」を考えることがポイントです。
例えば、
「ペットカメラとWi-Fiだけはできるだけ長く維持したい」
という家庭と、
「カメラに加えてエアコンも動かしたい」
という家庭では、必要なポータブル電源の条件は大きく変わります。
UPS機能を備えた製品もある
ポータブル電源の中には、UPS(無停電電源装置)機能を備えた製品もあります。
UPS対応の製品では、通常時は家庭の電源から機器へ給電しながら、停電などで入力電力が失われた際に、バッテリー側からの給電へ切り替える仕組みを採用しています。
そのため、「停電してからポータブル電源を手動で起動して機器を接続する」という方法とは使い方が異なります。
ただし、UPS機能が付いていれば、どの家電でも必ず無停止で動き続けるという意味ではありません。
切り替え時間、接続する機器との相性、機器側の仕様などによって結果が異なるため、重要な機器については事前に動作を確認しておくことが大切です。
ポータブル電源は「ペットの安全を自動的に守る装置」ではない
ここは特に重要なポイントです。
ポータブル電源を用意したからといって、停電時のペット対策がすべて完了するわけではありません。
例えば、ポータブル電源にエアコンを接続していても、
- ポータブル電源の残量が少ない
- エアコンの消費電力が大きい
- 出力条件が合っていない
- 停電時間が想定より長い
- ペットカメラや通信機器が別の電源を必要とする
といった状況では、想定どおりに機器を維持できない可能性があります。
したがって、ポータブル電源はあくまで停電時に必要な電力を確保するための手段の一つとして考え、自宅の環境に合わせて容量・出力・接続機器・使用時間を設計することが重要です。
安全に使うことも重要
ポータブル電源の多くにはリチウムイオン電池が使用されています。
NITEは、ポータブル電源について、強い衝撃を与えないこと、高温環境で使用しないこと、水濡れを避けることなどを注意点として挙げています。また、発熱、変形、異臭、充電できないなどの異常が見られた場合は使用を中止し、メーカーや販売事業者へ相談するよう案内しています。
特に夏場は、ポータブル電源そのものを直射日光の当たる場所や高温になる場所へ置かないことが大切です。
また、停電対策として準備する場合でも、普段から定期的に状態や残量を確認し、いざというときに使える状態を維持しておく必要があります。
ペットの停電対策では「必要な電力」を先に考える
ポータブル電源を選ぶときに大切なのは、「できるだけ大容量のものを買う」ことではありません。
まず、
何を動かしたいのか
どれくらいの時間を維持したいのか
その機器に必要な電圧・出力は何か
を確認することです。
例えば、スマートフォンやペットカメラだけなら比較的小さな電源で対応できる場合があります。一方、エアコンなどの家電を停電時にも使いたい場合は、より大きなAC出力と容量を備えた製品を検討する必要があります。
ペットの停電対策でポータブル電源を選ぶポイント

ペットの停電対策としてポータブル電源を用意する場合、「できるだけ容量の大きい製品を選べば安心」と考えてしまいがちです。
しかし、実際には容量が大きいことだけでは十分ではありません。
停電時に何を動かしたいのか、どれくらいの時間使いたいのかによって、必要な仕様は変わります。
経済産業省も、ポータブル電源には火災や感電などの電気的リスクがあるとして、安全面を含めた製品選びや使用方法の重要性を示しています。
ここでは、ペットの留守番や停電対策を目的にポータブル電源を選ぶ際に、確認しておきたいポイントを整理します。
1.バッテリー容量「Wh」を確認する
まず確認したいのが、バッテリー容量です。
ポータブル電源の容量は一般的に**Wh(ワットアワー)**で表示されます。Whが大きいほど、同じ機器を使った場合に長時間の電力供給ができる傾向があります。
例えば、停電時にスマートフォンの充電だけをしたい場合と、エアコンなどの家電を動かしたい場合では、必要となる電力量が大きく異なります。
エレコムもポータブル電源の選び方として、まず必要な容量を検討し、停電・災害への備えでは1,000Wh程度からを一つの目安として紹介しています。
ただし、「1,000Whなら必ず○時間使える」という単純な計算にはなりません。
実際には、接続する機器の消費電力、変換時のロス、使用環境などによって使用可能時間は変わります。
そのため、容量を見るときは「数字が大きいか」だけでなく、
何を使うのか → 何時間使いたいのか → どの程度の容量が必要か
という順番で考えることが大切です。
2.「定格出力W」を確認する
次に重要なのが、ポータブル電源から一度に取り出せる電力です。
これは主に**W(ワット)**で確認できます。
容量のWhと混同されやすいポイントですが、役割は異なります。
Wh=どれくらいの電力量を蓄えられるか
W=どれくらいの電力を機器へ供給できるか
という違いです。
例えば、大容量のポータブル電源でもAC定格出力が小さければ、消費電力の大きな家電を動かせない場合があります。
特にエアコンなどを停電対策の対象にする場合は、エアコン側の消費電力だけでなく、ポータブル電源側のAC定格出力、対応電圧、接続条件を確認する必要があります。
また、家電によっては運転開始時などに消費電力が変化するため、単純に「家電の表示W数より少し大きければ大丈夫」とは判断できません。
重要な家電を接続する場合は、ポータブル電源と家電の両方の取扱説明書・仕様を確認しましょう。
3.必要な出力端子がそろっているか確認する
停電対策では、どの端子を使うのかも重要です。
ポータブル電源には、主に、
- ACコンセント
- USB-A
- USB-C
- DC出力
などがあります。
例えば、エアコンや一般的な家庭用家電はAC出力、スマートフォンやタブレットはUSB、対応する機器はDC出力というように、使用する機器によって適した出力が異なります。
エレコムも製品選びのポイントとして、ACコンセントやカーアクセサリーソケット、USBポートなど、必要な出力ポートの種類と数を確認することを挙げています。
ペットの停電対策では、例えば「エアコン+Wi-Fiルーター+ペットカメラ」のように複数の機器を同時に使用することも考えられます。
その場合は、必要な端子の種類だけでなく、同時に使える出力やポート数まで確認しておくとよいでしょう。
4.UPS機能が必要か考える
停電対策を目的にするなら、UPS機能の有無も確認しておきたいポイントです。
一般的なポータブル電源では、停電が発生した後に手動で電源を切り替えて機器へ給電します。
一方、UPS機能に対応した製品では、通常時は外部電源から機器へ給電し、外部電源が失われた際にバッテリー側へ切り替える仕組みを利用できます。
そのため、
「停電したら自分が帰宅して電源をつなぐ」
のではなく、
「外出中の停電でも、できるだけ自動的にバックアップ電源へ切り替えたい」
という用途では、UPS対応製品が選択肢になります。
ただし、UPS機能の切替時間や対応条件は製品によって異なります。
また、UPSに対応しているからといって、接続したすべての機器が必ず無停止で動作するとは限りません。特にエアコンなど重要な機器を接続する場合は、事前に実際の動作条件を確認しておくことが大切です。
5.充電方法と「停電後の復旧」も確認する
停電対策用のポータブル電源は、停電した瞬間に使えるだけでは不十分です。
普段から十分に充電された状態を維持し、停電が長引いた場合には再充電できる方法があると、より長い停電への備えになります。
代表的なのが、
ACコンセントからの充電
ソーラーパネルからの充電
車などからの充電
です。
例えば、短時間の停電に備えるだけなら、普段から満充電に近い状態で保管しておく方法があります。
一方、台風や災害などによって停電が長時間続く可能性まで考えるなら、電力が復旧していない状況でも充電できる手段があるかを確認しておくとよいでしょう。
ただし、ソーラー充電については天候や設置環境によって発電量が変わるため、「何時間で必ず満充電になる」と考えるのではなく、実際の使用条件を踏まえて判断する必要があります。
6.サイズ・重量や設置場所も考える
容量や出力が大きくなるほど、本体サイズや重量も大きくなる傾向があります。
そのため、停電時だけでなく、普段どこに置いておくのかも考えておきましょう。
特にペットのいる家庭では、
- 直射日光が当たらない
- 高温になりにくい
- 水や飲み物がかからない
- ペットがコードや本体をいたずらしにくい
- 必要なときに持ち出せる
といった条件を確認しておくことが大切です。
NITEもポータブル電源について、高温環境や水濡れ、強い衝撃などを避け、異常な発熱や変形、異臭などがある場合は使用を中止するよう注意喚起しています。
また、コードをペットが噛んだり引っ掛けたりしないよう、設置場所や配線にも注意しましょう。
7.「必要な機器」から逆算して選ぶ
最終的には、ペットの停電対策として何を維持したいのかを明確にすることが重要です。
例えば、
| 想定する用途 | 特に確認したいポイント |
|---|---|
| スマートフォンの充電 | USB出力・容量 |
| ペットカメラ+Wi-Fi | AC/USB出力・容量・同時使用 |
| 扇風機・サーキュレーター | AC出力・容量 |
| エアコン | AC定格出力・電圧・容量・使用条件 |
| 複数の家電 | AC定格出力・容量・ポート数 |
| 長時間の停電 | 大容量・充電方法・ソーラー入力など |
| 外出中の自動バックアップ | UPS機能・切替条件 |
このように、**「ポータブル電源のスペックから用途を決める」のではなく、「必要な用途から必要なスペックを決める」**ことが、失敗を避けるポイントです。
また、ポータブル電源は停電対策だけでなく、キャンプや車中泊、屋外作業、防災備蓄などにも使えるため、普段どのように活用するかまで考えて選ぶと、必要な容量やサイズを決めやすくなります。
PECRONのポータブル電源を活用した停電対策
ここまで見てきたように、ペットの停電対策では「どれだけ大きなポータブル電源を用意するか」ではなく、停電時に何を動かしたいのか、どれくらいの時間使いたいのかを先に考えることが大切です。
PECRONでは、コンパクトなモデルから大容量・高出力モデルまで複数のポータブル電源を展開しています。
ペットの留守番で必要になる電力も、スマートフォンやペットカメラのバックアップから、空調を含めた家庭用電化製品の非常用電源までさまざまです。
ここでは、それぞれの容量・出力・充電方法などを比較しながら、どのような停電対策に活用できるのかを紹介します。
F3000LFP|長時間の停電や複数の家電を想定した大容量モデル
F3000LFPは、3,072Whの大容量と定格出力3,600Wを備えたポータブル電源です。LiFePO4バッテリーを採用し、UPS機能やWi-Fi/Bluetoothによるアプリ操作にも対応しています。AC入力は最大1,800W、ソーラー入力は最大1,600Wで、AC+ソーラーでは最大2,800Wの入力に対応しています。
ペットの停電対策では、長時間の停電を想定して複数の機器をできるだけ長く維持したい家庭で検討しやすい容量です。
例えば、停電時にエアコンなどの比較的大きな電力を必要とする機器に加えて、Wi-Fiルーターやペットカメラ、スマートフォンなども使いたい場合、容量と出力の両方を重視する必要があります。
ただし、エアコンは機種によって電圧や消費電力、運転時の電力変化が異なるため、F3000LFPの定格出力だけを見て「すべてのエアコンに使える」と判断することはできません。実際に接続する場合は、エアコン側の仕様とF3000LFPの出力条件を事前に確認する必要があります。
また、F3000LFPは約28.7kgと重量があるため、常時持ち運ぶというよりも、自宅の防災・停電対策用として設置しておき、必要なときに使用するという使い方にも向いています。
F1000LFP|容量と出力のバランスを重視したい場合に
F1000LFPは、960Whの容量と1,500WのAC出力を備えたモデルです。UPS機能、アプリ操作、5W LEDライトを搭載し、AC入力は最大1,000W、ソーラー入力は最大600W。AC充電では0~80%まで約50分、満充電まで約1.1時間という仕様になっています。
ペットの停電対策では、スマートフォンや通信機器だけでなく、ある程度の出力を必要とする電気製品もバックアップしたいという家庭で検討しやすいモデルです。
例えば、ペットカメラやWi-Fiルーター、照明、扇風機などを組み合わせて使用する場合、必要な消費電力を合計しながら容量を考えることができます。
また、1,500WのAC出力を備えているため、接続する家電の仕様が対応していれば、より幅広い電気製品を停電時のバックアップ対象として検討できます。ただし、エアコンなどについては、電源電圧・消費電力・起動時の特性などを個別に確認することが必要です。
F1000LFPはF3000LFPよりも容量・重量を抑えられるため、防災用として保管しながら、キャンプや車中泊など普段の用途にも使いたいという場合にも活用しやすい構成です。
E500LFP|ペットカメラや通信機器などのバックアップに
E500LFPは、576Whの容量と600WのAC出力を備えたコンパクトモデルです。
UPS機能のほか、USB-C最大100W、DC 12V/24V出力、100Wのソーラー入力に対応しています。AC入力は最大500Wで、0~80%まで約60分、100%まで約90分で充電できます。重量は約6.8kgです。
夏のペットの留守番では、
「まずは通信や見守り環境を維持したい」
という使い方も考えられます。
例えば、ペットカメラ、Wi-Fiルーター、スマートフォン、照明、小型の扇風機など、消費電力が比較的小さい機器をバックアップする場合は、こうした容量帯のポータブル電源も選択肢になります。
一方で、エアコンのような消費電力の大きな家電を長時間動かすことを目的とする場合は、600Wという出力だけで判断せず、接続する機器の仕様と必要な使用時間を確認しましょう。
E500LFPは比較的コンパクトなため、防災専用として保管するだけでなく、普段のアウトドアや非常時の電源として兼用したい家庭にも取り入れやすいサイズです。
E300LFP|小型機器の非常用電源を確保したい場合に
E300LFPは、288Whの容量と600WのAC出力を備えた小型ポータブル電源です。
重量は約4.8kgと軽量で、UPS機能、USB-C最大100W、DC 12V/24V出力、最大100Wのソーラー入力に対応しています。AC入力は最大300Wで、0~80%まで約60分、100%まで約80分で充電できます。
ペットの停電対策では、ペットカメラやWi-Fiルーター、スマートフォン、照明など、比較的消費電力の小さい機器を中心にバックアップしたい場合に使いやすい容量帯です。
また、約4.8kgという軽量さは、停電対策だけでなく、キャンプや車中泊、屋外での作業など、普段から持ち運んで使いたい場合にもメリットになります。
ただし、容量が288Whであるため、長時間の停電や大きな電力を必要とする家電を動かす用途では、必要な使用時間をあらかじめ計算しておくことが重要です。
4モデルを用途から比較する
4つのモデルには、それぞれ容量・出力・サイズに違いがあります。
| モデル | 容量 | AC定格出力 | 主な停電対策の考え方 |
|---|---|---|---|
| F3000LFP | 3,072Wh | 3,600W | 長時間の停電、複数の機器をまとめてバックアップ |
| F1000LFP | 960Wh | 1,500W | 家庭用機器を含め、容量と出力のバランスを重視 |
| E500LFP | 576Wh | 600W | ペットカメラ・通信機器・小型家電などのバックアップ |
| E300LFP | 288Wh | 600W | 小型機器中心の非常用電源、持ち運び重視 |
※実際に使用できる時間は、接続する機器の消費電力、変換ロス、使用条件などによって異なります。
特にエアコンなどの大きな家電を停電対策の対象にする場合は、ポータブル電源の容量だけでなく、AC定格出力、電圧、家電側の消費電力や起動条件まで確認することが重要です。
ペットのための停電対策は「何を守りたいか」から考える
ペットの留守番用としてポータブル電源を導入する場合、重要なのは「大容量モデルを選ぶこと」そのものではありません。
例えば、
「ペットカメラとWi-Fiを止めたくない」
「小型家電や照明を使えるようにしたい」
「停電時にもできるだけ長く電力を確保したい」
「空調を含めて、複数の家電をバックアップしたい」
など、家庭によって必要な対策は異なります。
まず停電時に必要な機器を整理し、その消費電力と使用時間を確認したうえで、それに合った容量・出力のポータブル電源を選ぶことが大切です。
また、ポータブル電源は「停電したら使うだけ」のものではありません。普段から定期的に充電状態や本体の異常がないかを確認し、いざというときにすぐ使える状態を維持しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 夏に犬や猫を留守番させるとき、エアコンはつけっぱなしにしたほうがいいですか?
A. 夏の暑い日にペットを室内で留守番させる場合は、エアコンなどを利用して室温・湿度を適切に管理することが重要です。
環境省や東京都も、高温の室内での留守番をペットの熱中症につながる危険な状況として注意しており、外出中も温度・湿度を適切に管理するよう案内しています。
ただし、すべての家庭で同じ設定温度が適しているとは限りません。犬・猫の種類や年齢、健康状態、住宅環境などを考慮しながら、実際の室温・湿度を確認して管理しましょう。
Q2. エアコンはつけっぱなしのほうが電気代は安くなりますか?
A. 一概にはいえません。
外出時間、外気温、日射、住宅の断熱性能、エアコンの性能などによって消費電力量は変わります。短時間の外出ではつけっぱなしのほうが消費電力量を抑えられるケースがありますが、長時間の外出では停止したほうが消費電力量が少なくなる場合もあります。
そのため、ペットがいる家庭では「つけっぱなしなら必ず節電になる」と考えるのではなく、ペットが安全に過ごせる室温を維持したうえで、フィルター清掃や日射対策などによって無駄な電力消費を減らすことが重要です。
Q3. ペットの留守番中に停電すると、何が困りますか?
A. エアコンだけでなく、ペットカメラ、Wi-Fiルーター、自動給餌器、電動給水器、照明なども停止する可能性があります。
特に夏場は冷房が停止することで室温が上昇する可能性があり、飼い主が外出中の場合はすぐに対応できません。
また、ペットカメラ本体が動作していても、Wi-Fiルーターなどが停止すると外出先から映像を確認できなくなる場合があります。
そのため、停電対策では「何が止まるのか」を事前に一つずつ確認しておくことが大切です。
Q4. ポータブル電源でエアコンを動かせますか?
A. エアコンとポータブル電源の仕様が合っていれば、使用できる場合があります。
ただし、エアコンには100V・200Vなどの電源仕様の違いがあり、消費電力や運転時の電力変化も機種によって異なります。
そのため、ポータブル電源の容量だけを見るのではなく、
エアコンの電圧・消費電力・プラグ形状・運転条件
ポータブル電源のAC出力・定格出力・対応電圧
をそれぞれ確認する必要があります。
「ポータブル電源の定格出力が大きいから、どのエアコンでも使える」という判断はできません。
Q5. ポータブル電源の「W」と「Wh」は何が違いますか?
A. W(ワット)は出力、Wh(ワットアワー)は蓄えられる電力量の目安です。
Wは、ポータブル電源からどれくらい大きな電力を機器へ供給できるかを確認するための指標です。
一方、Whは、どれくらいの電力量を蓄えられるかを見るための指標で、同じ機器を使った場合の使用時間を考える際に重要になります。
例えば、大容量のポータブル電源でも定格出力が小さければ、消費電力の大きな家電を動かせない場合があります。
ペットの停電対策では、「何を動かすか」と「何時間使いたいか」の両方からWとWhを確認することがポイントです。
Q6. UPS機能があれば、停電してもペット用の機器は止まりませんか?
A. UPS機能は、停電などで外部電源が失われた際に、バッテリー側へ切り替えて給電するための仕組みです。
そのため、外出中の停電対策としてUPS対応のポータブル電源を利用する方法があります。
ただし、UPS対応だからといって、接続したすべての機器が必ず無停止で動作するわけではありません。切替時間や接続機器の仕様などによって動作条件が異なるため、重要な機器については事前に確認しておくことが大切です。
Q7. ペット用の停電対策では、できるだけ大容量のポータブル電源を選んだほうがいいですか?
A. 必ずしもそうとは限りません。
停電時に使いたい機器がペットカメラやWi-Fiルーター、スマートフォンなどであれば、比較的小さな容量でも対応できる場合があります。
一方、エアコンなど消費電力の大きな機器や複数の家電を長時間使用したい場合は、より大きな容量と出力が必要になります。
そのため、
「必要な機器」→「必要な出力」→「必要な使用時間」→「必要な容量」
という順番で考えると、自宅に合ったポータブル電源を選びやすくなります。
Q8. ポータブル電源は、停電対策以外にも使えますか?
A. はい。ポータブル電源は、防災・停電対策だけでなく、キャンプ、車中泊、屋外作業など、日常とは異なる場所で電源を確保したいときにも活用できます。
非常時だけ使うものとして保管するのではなく、普段から使用方法や充電状態を確認しておくことで、いざというときにも使いやすくなります。
ただし、ポータブル電源には電気的なリスクもあるため、使用時は製品の取扱説明書に従い、高温・水濡れ・強い衝撃などを避けて適切に管理することが重要です。経済産業省も、ポータブル電源には火災・感電などのリスクがあるとして、安全対策の重要性を示しています。
また、ペットの災害対策では、電源だけでなく水・食料・常備薬なども普段から準備しておくことが推奨されています。
まとめ
夏に犬や猫を留守番させるときは、単にエアコンをつけるだけではなく、留守中もペットが過ごす環境を安定して保てるかという視点で考えることが大切です。
環境省は、高温の室内での留守番をペットが熱中症になる可能性のある危険な状況の一つとして挙げています。東京都も、留守番中を含め、エアコンなどを利用して温度・湿度を適切に管理するよう案内しています。
一方で、夏場は雷や大雨などによって突然停電する可能性もあります。
停電すると、エアコンだけでなく、ペットカメラ、Wi-Fiルーター、自動給餌器、給水器など、普段使用しているさまざまな機器が停止する場合があります。
だからこそ、夏のペットの留守番対策では、
「暑さを防ぐ」
→「停電したら何が止まるかを確認する」
→「必要な機器を決める」
→「停電時の電源を確保する」
という順番で準備しておくことが重要です。
ポータブル電源は、そのための選択肢の一つです。
ただし、重要なのは「できるだけ大容量の製品を選ぶこと」ではありません。
何を動かしたいのか、どれくらいの時間使いたいのか、どの程度の出力が必要なのかを先に確認し、その条件に合った製品を選ぶことが大切です。
PECRONでは、288WhのE300LFP、576WhのE500LFP、960WhのF1000LFP、3,072WhのF3000LFPなど、容量や出力の異なるポータブル電源を展開しています。
小型機器のバックアップから、より長時間の停電や複数の電気機器への電力供給まで、必要な用途に合わせて選択肢を検討できます。
また、ポータブル電源を用意するだけで停電対策が完了するわけではありません。水やフード、常備薬、避難先や避難ルートなども含め、普段からペットの災害対策を整えておくことが大切です。環境省も、ペットの災害対策として、日頃から必要な物資を準備し、同行避難の可否や避難先などを確認しておくよう案内しています。
ペットの夏の留守番対策は、「暑くなってから」「停電してから」ではなく、普段のうちに準備しておくことが重要です。
室温管理、停電への備え、必要な電源の確保をあらかじめ整理しておけば、万が一のときにも落ち着いて対応しやすくなります。
大切なペットが安心して夏を過ごせるように、まずは今日から「停電したら何が必要か」を一度確認してみましょう。




















































